以下は、2025年10月20日にラッセル・インベストメント(米国)のHPに掲載された英文記事を翻訳したものです。原文はこちら。
OCIOプロバイダーは、プライベートマーケット全体にわたる多様な機会を捉える独自の強みを持っていると、私たちは考えています。OCIOは、スケールメリットやコスト効率、さらに一流運用会社へのアクセスを実現します。
トップクラスのOCIOは、運用会社の選定から資金配分、投資モニタリング、ポートフォリオ全体の統括まで、包括的なマネジメントを提供します。
今年前半のパブリックマーケット(上場市場)における混乱の後、プライベートマーケット戦略への需要は高まる一方です。その理由は明白で、プライベート資産は一般的にボラティリティが低く、ポートフォリオの分散効果が高いことが多いためです。さらに、この資産クラスへの投資は、より広範な企業群へのエクスポージャーを得ることを意味し、長期的な高リターンの可能性も秘めています。しかしプライベートマーケットを最大限活用するには、適切なパートナーの選定が欠かせません。
機関投資家には主に二つの選択肢があります。プライベートマーケットに特化したブティック型パートナーと提携するか、または外部委託最高投資責任者(OCIO)と提携するかです。私たちは、OCIOとの提携こそがより優れた選択肢であると確信しています。OCIOは、一流運用会社への広範なアクセス、スケールメリット、確立された運用基盤、そしてリスク管理および資本配分のための専門的リソースを兼ね備えており、単一戦略に特化したブティックでは得にくい機会をとらえることができます。
ここでは、OCIOとの提携がプライベートマーケットの可能性を引き出す理由を5つご紹介します。
1. あらゆる機会における専門性
プライベートマーケットは幅広い投資機会を提供し、優秀なOCIOはそれらを的確にナビゲートします。プライベートエクイティ、プライベートクレジット、不動産、インフラ、一次・二次ファンド、共同投資など、多様な手法を活用します。これにより、セクター、地域、戦略を跨いだ分散投資が実現し、集中リスクの低減や長期的なリターンの安定化に寄与します。一方、小規模なブティック運用会社は、プライベートマーケット全体をカバーする十分なリソースを持たない場合があり、結果として機会を逃す可能性があります。
また、最高水準のOCIOはオープンアーキテクチャを採用し、大手およびブティックの双方からトップマネージャーを選定することで、最良のプライベートマーケット戦略にアクセスします。こうした柔軟性により、ニッチな機会を捉え、重複投資を避け、真に分散されたポートフォリオを構築できます。例えば、ブティックがベンチャーキャピタルを専門とする場合でも、OCIOはプライベートクレジットや不動産などでこれを補完し、複数の収益源を創出してリスク管理を強化します。
2. 規模とコストの優位性
OCIOは複数の機関投資家の資産を管理するため、小規模ブティックが持ち得ない規模の優位性を享受します。例えば、適切なOCIOはオルタナティブ運用会社との手数料交渉で有利な条件を引き出し、法務・会計・デューデリジェンス提供業者からもより良い条件を確保します。
監視・報告・コンプライアンス業務を複数クライアント間で効率化することで、プライベートマーケットの運用コストを削減します。この効率性により、従来は高コストやアクセスが難しかった戦略も、投資家にとってより実行可能になります。
3. トップクラスの運用会社へのアクセス
OCIOの大きな利点は、小規模機関投資家が単独で得にくい運用会社へのアクセスを可能にする点です。
優秀なOCIOは、プライベートエクイティ、プライベートクレジット、不動産、インフラなど多分野にわたり、魅力的な投資機会を見極めます。
トップクラスのOCIOはポートフォリオ全体を俯瞰し、ヴィンテージ、セクター、地域、戦略にわたって投資を分散します。積極的にモニタリングとリバランスを行い、配分を調整することで、リスクと流動性を管理しながらリターンを追求します。端的に言えば、優秀なOCIOは適切な運用会社と緻密なポートフォリオ戦略を組み合わせ、パフォーマンス向上とリスク低減を同時に追求します。
4. シームレスな実行
優れたOCIOは、運用会社の選定、資金配分、投資モニタリング、伝統的および代替投資の配分に至るまで、エンド・ツー・エンドの包括的な運用管理を提供します。確立されたインフラと実績あるプロセスが、複数の運用会社や複雑な戦略間での円滑な連携を支えます。
こうした能力に基づき、優秀なOCIOはオーバーレイ運用、移行、体系的リバランスも社内で対応します。これにより資本配分の効率化が図られ、戦略的・戦術的な機会へ迅速に対応できます。投資の実行がより迅速に進み、社内でのシステム構築に伴うコストや手間を削減できます。
5. 流動性管理
プライベートマーケットはキャピタルコールや分配など、複雑なタイミング管理を伴い、ブティックが社内で完全に管理するのは難しい場合があります。一方、トップクラスのOCIOプロバイダーは全体の流動性計画を調整し、必要時に資本を確保するとともに、効率的な投資タイミングを実現します。
キャッシュ需要の予測、分配金と資金調達の整合、運用バッファーの確保を通じて、OCIOは柔軟性を維持しつつ運用を継続します。このアプローチにより資金不足リスクが低減され、キャッシュフローが平準化され、重要な支出や戦略的イニシアチブを支援します。投資家はポートフォリオ全体で流動性が能動的に管理されていることを把握し、安心して計画を立てられます。
結論
今日の複雑な投資環境において、プライベートマーケットは分散投資と長期成長のために不可欠ですが、それを効果的に活用するには単なるアクセスを超える取組みが必要です。適切なOCIOは、トップ運用会社の選定、規模の活用、構造化されたポートフォリオの構築、シームレスな実行、そして流動性管理に関する専門知識を提供します。
プライベートマーケットに注力する機関投資家にとって、適切なOCIOの選択は複雑な資産配分をシンプルかつ効果的にし、長期的なポートフォリオの成果を支えることにつながります。