3Q 2021 GMO Hero
グローバル・マーケット・アウトルック 2021年

7-9月期:The Song Remains the Same(景気回復という市場テーマの継続)

新型コロナウイルスに対するワクチンの接種率が高まるに連れて、世界中で経済活動が再開しています。インフレ率上昇が懸念材料ですが、物価の急上昇は一時的なものと見られます。債券より株式、グロース株よりバリュー株、米国株式より非米国株式など引き続きパンデミックからの復興の恩恵を受けると判断される取引を選好します。

 

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headshot of Andrew Pease, Global Head of Investment Strategy

アンドリュー・ピーズ 

投資戦略グローバルヘッド

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債券より株式、グロース株よりバリュー株、米国株式より非米国株式など引き続きパンデミックからの復興の恩恵を受けると判断される取引を選好します。

 – アンドリュー・ピーズ

はじめに

新型コロナウイルスワクチンの接種は順調に進んでいます。6月半ばの時点で、米国と欧州のワクチン接種率は50%近くになり、英国では60%超に達しました。日本は僅か15%と出遅れていますが、接種ペースは加速しており8月後半には50%に達すると見られています。感染力の強い変異株が広がっているものの、幸いなことに既存のワクチンは変異株にも有効なようです。

このような状況から、主要先進国における経済活動再開の流れは、2021年後半も続くと予想されます。また、市場の関心は、リバウンド成長の力強さ、インフレの影響、中央銀行によるテーパリング(金融資産買い入れの縮小)や最終的な利上げ開始の時期にシフトしています。

ラッセル・インベストメントでは、現在のインフレ率の急上昇は大部分が一時的なものと考えています。つまり、昨年の初期のロックダウンによって米国の消費者物価指数(CPI)が大幅下落した時点が基準になっており、一時的なサプライチェーンのボトルネックと重なった結果としての「ベース効果」に基づくと見るものです。ロックダウンにより失われた生産を米国経済が取り戻すには、少なくとも2022年の半ばまでかかると考えており、他国についてはより長い期間を要すると見ています。それまでは、広範なインフレ圧力が生じる可能性は低いでしょう。また、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が2022年に利上げを開始するとの見方もありますが、それは時期尚早と考えています。FRBによるテーパリング開始が2022年、そして最初の利上げは2023年後半と予想しています。

サイクル(中期/景気循環)、バリュエーション(長期/割高・割安)、センチメント(短期/投資家心理)から成るラッセル・インベストメントの投資戦略決定プロセスにおいて、市場に対する見方は3月の当レポートからほとんど変更はありません。割高感が大変強い米国株式市場は他の株式市場の割安感で幾分相殺されているものの、世界株式全体では総じてまだ割高圏にあると見ています。センチメントは買われ過ぎに近い水準を示唆していると見ていますが、熱狂的陶酔感(ユーフォリア)と評される危険な水準に近いとは考えていません。バリュエーションの割高感を勘案しても、少なくとも今後12か月間は債券よりも株式を選好できるサイクル的には力強い回復局面であると考えています。このことはまた、グロース株よりバリュー株、米国株式より非米国株式を今後も有望視できる有力な材料になると考えています。

2つの重要指標

ラッセル・インベストメントは、インフレ率上昇がFRBにとって重要な問題になるかどうかを検討する際に、2つの指標に注目しています。1つ目の指標は、アトランタ連銀が発表している「賃金トラッカー」です。この対象となる労働者は、調整済みのサンプルに基づいています。そのため、月次の雇用統計に存在する平均時間給の数値を歪ませる人口動態上の問題は、最小限に抑えられています。

2つ目の指標は、5年/5年ブレークイーブン期待インフレ率です。5年後の時点で、そこから5年間の平均インフレ率がどうなっているかを市場が予測した数値です。現在の数値は、2026年半ばから2031年半ばまでの5年間のインフレ率に対する市場予測です。

アトランタ連銀の「賃金トラッカー」によると、2021年5月までの1年間における賃金上昇率は3%でした。また、2020年半ばからは下落傾向にあります。賃金水準の上昇は、労働市場が完全雇用に近づいていることを意味します。賃金上昇率が4%近くになれば、労働市場は過熱気味です。この水準の単位労働コスト(賃金-生産性上昇率)では、コアインフレ率が2.5%を継続的に超えてくる可能性が示唆されています。

また、長期的な期待インフレ率(5年/5年ブレークイーブン率で測定)が2.75%を超えると、インフレ傾向が定着した兆候を示唆すると見られます。物価連動米国債(TIPS)のブレークイーブン率は消費者物価指数(CPI)に基づくものですが、FRBの目標インフレ率は個人消費支出(PCE)デフレーターで測定されます。両者は長期的にほぼ連動していますが、一般的にCPIインフレ率はPCEインフレ率より0.25%程度高くなります。ブレークイーブン率が2.75%であれば、市場はPCEインフレ率が5年後に2.5%以上になると見ていることを示唆していると考えられます。

賃金上昇率が4%を超え、ブレークイーブン期待インフレ率も2.75%を超えてくると、FRBは引き締め基調にシフトし、利上げ開始時期も早まることになると見ています。

Composite contrarian indicator

Composite contrarian indicator

経済活動の再開に期待するリオープニング・トレードの継続

世界経済はまだ、ロックダウンによる景気後退から回復する初期段階にあります。経済活動の再開を期待した「リオープニング・トレード」は、2020年11月6日にファイザー社が新型コロナウイルスワクチンの開発に成功したと発表した時点から始まりました。それ以降、最も良いパフォーマンスを上げた資産クラスは、小型株、非米国株式、グローバルREIT(不動産投資信託)、コモディティ、バリュー株です。概して、ロックダウン期間中に低迷した資産クラスがワクチン開発後には高いパフォーマンスを達成していると言えます。

Composite contrarian indicator

この状況は、今後数か月間続くと考えられます。バリュー株を構成する景気敏感株は、テクノロジーを中心とするグロース株よりも業績の改善度合いが大きくなっています。また、バリュー株はグロース株に比べて依然として割安と判断されます。金融株はMSCI World Value Indexで構成比率が最も高いセクターです。イールドカーブのスティープ化がさらに進行すれば、銀行の収益性が高まるため、金融株は恩恵を受けるでしょう。長期金利については、世界的な景気回復が続いているため、今後数か月は緩やかな上昇局面になると考えられます。ラッセル・インベストメントのモデルでは、米国10年国債利回りについて、年内は1.5~2.0%の範囲で推移すると予測しています。

同様の理由で、非米国株式市場は米国株式市場をアウトパフォームすると見ています。米国市場はテクノロジー株のウェイトが高い一方で、非米国市場は景気敏感型のバリュー株がより高い比率を占めています。例えば欧州では、イールドカーブのスティープ化が米国ほど進んでいません。このため、欧州の金融株のパフォーマンスは、米国に比べて劣後しています。欧州におけるワクチン接種の進展や、パンデミックの被害を受けた加盟国に対する欧州連合(EU)復興基金からの財政支援により、バリュー株と非米国市場のパフォーマンスがアウトパフォームするとラッセル・インベストメントでは考えています。

新興国株式は、ワクチン開発成功のニュース以降、他地域に出遅れています。新興国市場ではベンチマークに占めるテクノロジー株の比率が高く、中国における銀行貸出の伸びが鈍化することに対する懸念や、新型コロナウイルスワクチン接種の遅れもあり、パフォーマンスは停滞気味です。こうした状況は、中国の銀行貸出状況が安定し、ワクチンが地域全体に行き渡るに連れて、今年中には改善に転じると考えられます。

リオープニング・トレードのもう1つの要素は、米ドルの軟化です。米ドル指数(DXY)は、ワクチン開発のニュース以降ほぼ横ばいで推移してきました。投資家の間でFRBが金融引き締めに転じるとの見方が完全に織り込まれ、世界経済の回復も定着してくると、米ドルは下落すると見られます。米ドルは、世界経済が減速すると上昇し、回復期には下落する傾向があります。米ドルが弱含むと、非米国市場(特に新興国市場)にとっては追い風になると考えられます。

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インフレ率の急上昇は大部分が一時的なものと見られることから、FRBをはじめとする主要国の中央銀行は、今後2年間は利上げを行わないと考えています。

– アンドリュー・ピーズ

リスク:インフレ率の上昇継続とFRBのタカ派転換

新型コロナウイルスの変異株に関するリスクは継続していますが、ワクチン接種が進むに連れてそのリスクは低下しています。現在の最大の注目材料は、インフレ率上昇と中央銀行の対応です。ラッセル・インベストメントは、インフレ率の急上昇は大部分が一時的なものと見られることから、FRBをはじめとする主要国の中央銀行は、今後2年間は利上げを行わないと考えています。

一方、インフレ率の上昇が2021年後半まで続くことになれば、FRBはタカ派的な姿勢を強める可能性があります。この場合、株式市場にとっては困難な状況になります。株式は現在のような低金利環境の中でこそ投資妙味があるからです。しかしラッセル・インベストメントでは、FRBの論調の変化による市場の下落は追加的なリスクを取得する好機を提供し得るとも見ています。サイクルはまだ上昇局面であり、経験則に基づけばFRBが経済活動を減速させる水準の利上げを行うまでは、株式投資に対して前向きな姿勢を維持して良いことが示唆されると考えています。

地域別の所見

米国

米国では今年後半にかけて力強い経済成長が見込まれます。2021年の実質国内総生産(GDP)成長率が+7%程度となる可能性があり、これが実現すれば1984年以来の高成長となります。企業業績も急速な伸びを示しています。米国では、1-3月期におけるS&P 500®の利益成長率が市場予測を大きく上回りました(実績:52%、予測:24%)。ラッセル・インベストメントでは、経済活動の再開が進む中で、4-6月期の企業業績も相当力強いものになると予測しています。多くの標準的なバリュエーション手法で割高と判断されているため、米国株式市場においては力強い企業業績の有無が重要となります。

今春のインフレ率上昇は、予想よりはるかに急速でした。財政支出による支援金で大きく後押しされた需要と、パンデミックとボトルネックの影響で混乱した供給が相まって、短期間でインフレ圧力が発生しました。しかし、2022年には需要が沈静化し、供給側も機能を取り戻して、コアインフレ率はFRBの目標値近辺に落ち着いてくると見られます。ラッセル・インベストメントは、5年/5年期待インフレ率と賃金上昇率を、インフレ率の上昇が予想よりも強いものかどうかを見定めるための兆候として注視していきます。私たちはFRBの利上げ開始時期の見通しを2024年3月から2023年12月に前倒す微調整をしました。それ以外の米国に関する見通しは、4-6月期時点のものとほぼ変更ありません。

black and white map of United States

ユーロ圏

欧州では、ワクチン接種が加速し、経済活動再開の流れが今年後半も続くと見られます。EU復興基金により、南欧諸国の景気回復も続くと見られます。復興基金からの補助金および融資は、イタリアやスペインではGDPの12%、ギリシャではGDPの19%に相当します。

ドイツでは、左派である緑の党が、9月に行われる連邦議会選挙に向けて支持層を広げています。緑の党と保守系であるキリスト教民主同盟との連立内閣が成立するとの見方が有力ですが、この内閣では緑の党がより拡張的な財政政策を打ち出すと見られています。

ロックダウン解除後の景気回復は非常に力強いものとなる可能性が高く、2020年に-7%近くまで低下したGDP成長率は、今年は+5%前後まで回復すると予測しています。

ラッセル・インベストメントは、欧州株式を示すMSCI EMU指数が2021年はS&P 500をアウトパフォームすると見ています。欧州株式は、金融セクターに加え、資本財・素材・エネルギーなどの景気敏感セクターの比率が高く、テクノロジー関連株の比率はあまり高くありません。そのため、欧州における経済活動が活発化し、イールドカーブのスティープ化が進むようなワクチン普及後の景気回復局面においては、米国株式をアウトパフォームする可能性を秘めていると考えています。

black and white map of Europe

英国

英国では、ブレグジットとパンデミックという二重の逆風から経済が立ち直りつつあり、GDPおよび企業業績がともに大きく回復すると考えています。英国株式市場はまた、素材・金融など景気敏感特性のあるバリュー株の比率が相対的に高いため、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後の経済活動再開による恩恵を受けられます。イングランド銀行(BOE)が利上げにシフトしつつあることから(ただしFRBよりも先に利上げに踏み切る可能性は低いと見ています)、イールドカーブのスティープ化が進むことによって長短金利差が拡大し、金融株が追い風を受けると考えています。FTSE 100指数に表れているように、英国株式市場は主要先進国の中で最も割安感があり、今後10年間においては他の市場と比べて最もリターンが高くなる可能性があると見ています。英国企業の企業利益の約70%は海外に由来するため、英ポンド高がさらに進むと、利益成長率が低下するという短期的なリスクがあります。別のリスクとしては、政策上の誤りに関するもので、例えばBOEによる早過ぎる金融引き締めや、景気回復がまだ定着していない段階での財政支出の抑制などが考えられます。

black and white map of United Kingdom

日本

日本の景気回復は、地域的な新型コロナウイルス感染拡大によって都市部が再度ロックダウンされたことに伴い、後れを取っています。ラッセル・インベストメントでは、力強いグローバルな設備投資と国内サービス業の回復により、今年後半にかけて堅調な景気回復を予想しています。

金利については、日銀がイールドカーブ・コントロールを継続していることや、期待インフレ率が引き続き低水準にあることから、当面上昇しないと予想しています。10月22日までには衆議院選挙が実施されなくてはならない状況にあるため、これに先立ってさらなる財政出動が行われる可能性もあります。日本の株式市場はこの1年間相対的にアンダーパフォームしていますが、それでも日本株式は割高圏にあると見ています。

black and white map of Japan

中国

中国の経済状況を示す数値は、2月12日から始まった旧正月に起因する歪みから強弱まちまちとなっていますが、基本的な見方としては今年1年を通しての成長は底堅いものになると見ています。(GDPに対する新規貸し出しの伸びを示す)クレジット・インパルスは、予想より若干早く悪化しましたが、景気減速のほとんどは今年前半の5か月間に前倒しされたのではないかと考えています。国内消費はまだ拡大する余地があり、生産サイドも世界経済の回復から恩恵を受けると見られます。

中国株式は、テクノロジー企業(特に金融サービスへ進出しているテクノロジー企業)に対する規制強化などが原因となり、ここ数か月間低迷しています。規制についての予測は容易ではありませんが、ラッセル・インベストメントでは、規制の変更は基本的にほぼ完了したと考えています。

当然ながら、中国の見通しを語る際には米国との緊張関係に触れないわけにはいきません。両国は最近会談を行いましたが、実質的な成果は得られませんでした。気候変動対策における主導的役割についての合意は小さなプラス材料でしたが、両国の緊張関係は今後も高まる可能性があると見ています。

black and white map of China

カナダ

カナダ経済は、再度のロックダウンにもかかわらず、2021年前半のGDP成長率が+3.5%に達する見通しです。カナダのワクチン接種はここ数か月間で顕著に加速し、6月中旬時点で全人口の3分の2が1回目の接種を終えています。2021年後半には人や物の流れが増えることによって、それまで抑制されていたサービス業が復活し、経済成長はこれまで好調だった住宅投資以外にも広がりを示すと見られます。ラッセル・インベストメントは、カナダ銀行が予測した2021年のGDP成長率+6.5%の達成には疑う余地がないと見ています。そしてそれが実現すれば1973年以来の高成長となります。カナダ株式は(特に米国株式と比較して)景気動向に左右されやすいことから、国内景気の回復と世界経済の持続的な回復が好材料となっています。

black and white map of Canada

オーストラリア/ニュージーランド

オーストラリアおよびニュージーランドの経済は、引き続き堅調に成長しており、雇用は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回っています。最近のメルボルンにおけるロックダウン後の状況が示唆するように、これまで遅れていたワクチン接種は加速すると見られます。両国とも米ノババックス(Novavax)社のワクチンを大量購入していたため、同社の最終段階の治験が成功だったことは良いニュースとなっています。

オーストラリア準備銀行(RBA)は、引き続き緩和的なスタンスを維持しています。RBAはFRBによるテーパリング開始までは現在の量的緩和プログラムを継続すると見られ、利上げは当面先と考えられます。一方、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、カナダ銀行やノルウェー銀行と同様、タカ派政策にシフトしつつあり、早ければ来年にも利上げの可能性を検討することを示唆しています。

オーストラリア株式はニュージーランド株式と比べて、バリュエーション上の魅力度がより高く見える中、ラッセル・インベストメントはバリュー株を選好しているため、相対的にオーストラリア株式を選好しています。RBAによる量的金融緩和措置と為替相場の注視が継続する場合、オーストラリア国債利回りは米国債利回りにほぼ連動すると考えられますが、RBNZの幾分タカ派的な金融政策スタンスを勘案すれば、ニュージーランド国債利回りは上昇する可能性がより高いと見られます。

black and white map of Australia/New Zealand

資産クラスの選好

サイクル(中期/景気循環)、バリュエーション(長期/割高・割安)、センチメント(短期/投資家心理)から成るラッセル・インベストメントの投資戦略決定プロセスにおいて、2021年6月下旬の時点では世界株式を中期的にややポジティブと評価しています。世界株式全体のバリュエーションは、適正水準に近いと判断される英国株式を除いて割高圏にあると見ています。センチメントは買われ過ぎに近い水準ですが、熱狂的陶酔感(ユーフォリア)の危険な水準に達する兆候は示していません。景気サイクルは、中期的にリスク資産を下支えする状況と見ています。FRBをはじめとする各国中央銀行による金融引き締めへの転換は、向こう2年間は起こりそうになく、主要国経済は2020年のロックダウンに伴う景気後退から回復する初期段階にあります。

Q3 GMO 2020 Asset Performance

  • ラッセル・インベストメントは米国株式よりも非米国株式を選好します。ワクチン普及後の景気回復局面では、割安感があり、景気敏感特性のあるバリュー株の方が、割高なテクノロジー株やグロース株よりも好感されると考えています。米国以外の主要市場では、景気敏感特性のあるバリュー株の比率が米国に比して高い状態にあります。
  • 新興国株式については、今年はこれまで他地域に後れを取っています。新興国市場ではベンチマークに占めるテクノロジー株の比率が高く、中国における銀行貸出拡大の減速に対する懸念や、ワクチン接種の遅れもあり、抑制された動きとなっています。しかしこうした状況は、中国の銀行貸出拡大基調が安定し、ワクチンが地域全体に行き渡るにつれ、今年中には改善に転じると考えられます。
  • ハイ・イールド債および投資適格社債はクレジット・スプレッドの観点から割高感が認識されますが、景気回復によって、企業業績の改善が下支えされ、デフォルト率も低い水準に維持されていることから景気サイクルの観点は支援材料となります。米ドル建ての新興国債券はクレジット・スプレッドの観点から適正水準に近いと判断されますが、米ドルが弱含むと支援材料になると見られます。
  • 国債には割高感が感じられます。需給ギャップが縮小し、中央銀行がテーパリングを検討するに連れて、利回りは上昇圧力がかかると見ています。ラッセル・インベストメントは米国10年国債利回りについては、今年後半に1.5~2.0%の範囲で推移すると見ています。
  • 実物資産:不動産投資信託(REIT)は、経済活動の再開を見込んで反発し、パンデミックにおける下落分をすべて取り戻しました。REITは最早割安とは言えませんが、現状は経済活動再開との市場テーマから追い風を受けています。上場インフラストラクチャーについては、REITに対するバリュエーション上の不利な状況はほぼ解消されており、世界経済の回復による運輸やエネルギー・インフラストラクチャーの需要の高まりから恩恵を受けると見ています。
  • 米ドルは今年、FRBの早期金融引き締め観測が下支え要因となっています。投資家の間でFRBが金融引き締めに転じるとの見方が完全に織り込まれ、世界経済の回復も定着してくると、米ドルは下落すると見られます。米ドルは、世界経済が減速すると上昇し、回復期には下落する傾向があります。そして、米ドルの下落で最も恩恵を受けることになるのは、依然として割安感も認められるユーロになると見ています。また、長期的にはもはや割安感がないものの、英ポンドおよび豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルなど景気敏感特性のある資源国通貨にはさらなる上昇余地があると考えています。
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ワクチン普及後の景気回復局面では、割安感があり、景気敏感特性のあるバリュー株の方が、割高なテクノロジー株やグロース株よりも好感されると考えています。

ー アンドリュー・ピーズ

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