2020 グローバル・マーケット・
アウトルック

7-9 月期アップデート:待ち望まれた再開(The great reopening)

新型コロナウイルスによるロックダウンが緩和され、景気回復への期待が高まったことから、市場は上昇しています。この上昇は、株式は売られ過ぎと判断した投資家心理によって支えられてきましたが、センチメントがニュートラルに戻ったことを受け、市場見通しにも変化が出てきています。

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headshot of Andrew Pease, Global Head of Investment Strategy

アンドリュー・ピーズ 

投資戦略グローバルヘッド

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「歴史的な規模の財政刺激策、低金利政策の継続、そして長引く低インフレにより、リスク資産がアウトパフォームする環境が整っています。」 

- アンドリュー・ピーズ

はじめに

グローバル・マーケット・アウトルック 2020 年7-9 月期アップデート:待ち望まれた再開

 

株式市場は、2020年前半に歴史に残る動きを見せました。1-3 月期には世界株式の歴史上最速で 30%を超える急落となり、 4-6 月期には過去最大の 50 日間における上昇を見せました。S&P 500®は 6 月 3 日に 3,100 を超え、Nasdaqは 6 月 10 日に最高値を付けました。一方で、市場がファンダメンタルズから乖離しているとの見方も出てきています。

この見解の真偽については、ラッセル・インベストメントは未だ確信を持つに至っていません。もちろん、市場はロックダウンが解除されたことで大規模な第二波は発生しないという前向きな予想に基づいた価格を形成しているように見られますが、歴史的な財政刺激策、低金利政策の継続、そして長引く低インフレにより、リスク資産がアウトパフォームする環境が整ってきていると考えられます。

3 月下旬に刊行した当アウトルックでは、株式や債券などのリスクの高い資産が、現金や国債といったディフェンシブな資産をアウトパフォームするといった、注意深くも楽観的なシナリオについて述べました。これは、ラッセル・インベストメントのサイクル(中期/景気循環)、バリュエーション(長期/割高・割安)、センチメント(短期/投資家心理)の3つの要素(CVS)から成る投資戦略決定プロセスに基づいた見解でした。その後、バリュエーションは株式市場の急落を受けて回復し、景気サイクル見通しは中央銀行や政府の「できることは全て行う」という姿勢を受けてポジティブな見通しに変化し、何よりも市場のセンチメントを表すコンポジット・コントラリアン指標が非常に強い「買い」のシグナルを点灯していました。売られ過ぎの状態は、投資家が慎重になって下振れリスクを懸念している状態を意味しています。そしてこうした状況が、実際にロックダウンによる経済的影響が恐れていたほどではなく、また、感染拡大の第二波が 6 月中旬までに発生しなかったことが明らかになるや、リスク資産が急回復を遂げる下地となりました。

Asset performance

世界株式や社債のバリュエーションは、市場の反発を受けて魅力に欠ける水準となった一方で、景気サイクルの見通しは、相次ぐ財政および金融政策の発表や経済がロックダウンから回復し始めたことから、改善傾向を示しています。刺激策が打ち出される景気後退局面の底は、比較的強気な景気サイクル見通しを立てることができる数少ない機会の一つです。一方、センチメントは、もはや支援的なものではなくなりました。6 月中旬時点で、ラッセル・インベストメントのコンポジット・コントラリアン指数はニュートラルを示しています。これは、売られ過ぎの状態が緩和され、市場がネガティブニュースに反応して下落するリスクが高まっていることを意味しています。

ニュートラルのバリュエーション、ニュートラルのセンチメント、そしてポジティブな景気サイクルにより、投資見通しは以前よりバランスの取れたものとなっています。短期的には、株式市場が約 40%の反発をしたことで、センチメントがラッセル・インベストメントの買われ過ぎシグナルを点灯させる間際の水準に到達していることもあり、市場はネガティブニュースに神経質になっています。中期的には、ポジティブな景気サイクル見通しにより、株式が債券をアウトパフォームすると見ています。

主要リスク

主要リスクとしては、新型コロナウイルス感染の第二波や、11 月に迫った米国大統領選挙等が挙げられます。

  • 6 月中旬現在、アジアや欧州でのロックダウン緩和に続き、感染拡大の第二波が訪れているという証拠はほとんどありません。しかしながら、新型コロナウイルスは感染力が非常に強く、これまでのところ、厳格なロックダウンでしか収束させることができていません。今後 1~2 カ月で、第二波が訪れる可能性についてはよりはっきりしてくると 見られます。ポジティブな点は、多くの国々で感染者の受け入れ体制や治療面でより良い対応ができるようになっている点です。また、最短で 2021 年までかかると見られるものの、ワクチン開発のニュースも期待されます。
  • 米国大統領選挙はかなりの接戦となっています。民主党の候補者であるジョー・バイデン前副大統領が決定的なリードを取れば、市場にとって大きな焦点となります。バイデン前副大統領は、少なくとも2017 年のトランプ大統領が導入した法人税引き下げの一部撤回を計画しています。撤回されれば、2021 年の一株当たり企業収益は大きな打撃を被ることになります。鍵となるウオッチポイントは、上院議会を共和党が主導することになるかどうかです。ホワイトハウス、また上下両院も民主党が率いることになれば、おそらく法人税の引き上げは必至となり、法人規制がより厳格化するリスクも出てくると見られます。
  • 選挙関連のもう一つのリスクとして、米中貿易戦争が再び激化することが挙げられます。株式市場と経済の回復により、トランプ大統領が再選される可能性が高まっている状況下、ラッセル・インベストメントでは、トランプ大統領が貿易摩擦を再度蒸し返すことで、再選の可能性を自ら棒に振ることは無いと考えています。しかしながら、大統領選の数ヶ月前にトランプ大統領が敗退する可能性が高まった場合にはこの限りではありません。トランプ大統領は、ナショナリズムに訴え、中国へのバッシングすることが勝利の可能性を高めると考えるかもしれません。
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「低金利政策の継続で、国債やキャッシュよりも株式や不動産、インフラなど高利回りの資産クラスを選好します。」

- アンドリュ–・ピーズ

新型コロナウイルスの長期的な影響

パンデミック(感染の世界的大流行)による長期的な影響には、次の 5 つが考えられます。

  1. 低金利政策の長期化: パンデミックにより世界経済は大きなダメージを受け、主要先進国の金利はゼロまたはマイナス圏に低下しています。余剰設備が高水準にあるため、インフレ率は少なくとも今後数年間は低位に留まると見ています。これは、中央銀行が低金利政策を維持し、国債利回りも低位に保たれることを意味しています。さらに、ゼロ金利を経験した後には、中央銀行は早急に過ぎる金融引き締めへの転換を避ける傾向にあるため、インフレ率が上昇を示したとしても低金利を据え置く可能性があります。
  2. グローバル化の逆回転: 新型コロナウイルスが流行し始める前にすでにグローバル化の逆回転は始まっていました。2008 年の金融危機によって欧米の有権者の資本主義モデルに対する信頼が崩れ、英国の EU 離脱、トランプ大統領の登場、そして米中貿易戦争などによって逆回転は継続、新型コロナウイルスは、それをさらに加速させる形となりました。世界中のサプライチェーンは崩壊し始め、パンデミックは食料の安定供給に対する恐怖や医薬品の国内生産への圧力を生み出しました。
  3. 国債発行残高は増加し、経済における政府の存在が増大: ロックダウンにより、国債発行残高は第二次世界大戦以降最高レベルに達し、産業界に対する政府の支援も拡大しました。最終的に、政治の焦点はロックダウンの支援策の資金源、パンデミック禍で悪化した経済格差への対応に向かうと思われます。高い給料を得ているホワイト・カラー労働者が自宅で自主隔離する一方で、給料の低い労働者は解雇されるか安全性の低い環境での労働を強いられています。
  4. 最終的には高インフレへ: 景気後退によって経済の余剰設備が膨らんだため、今後数年間はインフレが懸念事項となることは無いと見ていますが、長期的には、インフレ率は予想外の速度で上昇する可能性があると見ています。グローバル化はデフレに向かう動き、逆回転はインフレに向かう動きと言えます。供給サイドから見ると、投入コストの上昇、安価な外国人労働者の減少、および関税と保護主義がインフレをもたらし、需要サイドから見ると、中央銀行によるインフレ上昇への対応が甘くなり、政府はインフレ上昇を負債の返済負担を軽減する手段と捉える可能性があります。
  5. 圧迫される利益率: 鈍化傾向の経済成長、非効率的な資本配分、「ジャストインタイム」ではなく「ジャストインケース(いざというときのため)」の在庫管理、高い税率および労働コストにより、企業の利益率は圧迫されると見られます。ただし、ロックダウンによるテクノロジー活用の増加により、コスト削減と生産性の改善がもたらされ、利益率の圧迫を相殺できる可能性があります。

このような傾向は、グローバルに事業を展開する企業やサプライチェーンに関わる企業の株式よりも米国内から収益を得る企業の株式に有利に働くと考えられます。過去 10 年間の傾向に反し、中型および小型株式が大型株式を凌駕すると見られ、技術移転が減少し輸出に牽引される成長が抑制されるなか、新興国株式より先進国株式に有利な状況になると見ています。グローバル化の逆回転は新興国株式に向かい風になると考えられます。低金利政策の継続により、国債やキャッシュよりも株式や不動産、インフラなど高利回りの資産クラスが選好されると見ています。

地域別の所見

米国

米国経済は、4 月までに歴史的な減速を経験し、一時 95%の米国民が外出禁止令を受ける事態となりました。これを受けて、過去に例を見ない規模の財政および金融政策が打ち出されました。米連邦準備制度理事会(FRB)は金利をゼロへと引き下げ、無制限の量的緩和を発表し、投資適格債やハイイールド社債の購入に踏み切りました。財政出動パッケージには、中小企業に対する返済免除条件付融資や、職を失った労働者の平均賃金所得に等しい失業保険給付金等が含まれています。これは第二次世界大戦以来最大級の財政刺激策で、更なる刺激策も予定されています。これらを考慮し、ラッセル・インベストメントは、米国経済に対してポジティブな見通しを持っています。

前例のない規模の刺激策とインフレなき成長が今後数年間続く可能性により、投資家は今後、通常より大きな株式のリスクプレミアムを手にする可能性があると見ています。米国では新型コロナウイルスの感染率が未だに高く、第二波到来は、景気の下振れリスクとして注視する必要があります。米中関係の悪化もまた懸念事項の一つです。逆に、6 月または 7 月に臨床試験の結果が期待されている効果的なワクチンのニュースが出れば、ワクチンが広く利用可能になる前に市場は大幅に上昇する可能性があります。ここからの市場のリスクには二つの側面があり、多くの関係者が言及しているような下振れリスクのみではないことに留意する必要があると考えられます。

black and white map of United States

ユーロ圏

欧州経済はロックダウンから回復し始めており、今のところ感染第二波を示唆する証拠は出ていません。しかしながら、経済的コストは大きく、経済協力開発機構 (OECD) はユーロ圏の国内総生産 (GDP)成長率を2020 年には9.1%のマイナス成長、 2021 年は 6.5%のプラス成長と予測しています。

新型コロナウイルス対応で欧州が遅れを取った背景には、政策手段が欠落していたことが挙げられます。欧州中央銀行 (ECB) の政策金利は既にマイナス圏にあり、財政赤字の増加には厳格なルールがあることから、イタリアなど負債の多い国々では 2012 年と同様の債務危機が再び起こるリスクがありました。しかしながら、蓋を開けてみると、打ち出された政策は市場にポジティブ・サプライズを与えました。ECB は資産購入プログラムを GDP の 12%以上に引き上げ、財政赤字に関するルールは一時的に緩和され、ユーロ圏の GDP 約 3%にあたる財政出動へと繋がりました。また、多くの国で導入されている雇用補助金制度が欧州地域の失業率を過去最低レベルに抑えています。最も広範な政策はドイツとフランスによる 7,500 億ユーロ (GDP の 6%) の予算案で、これは欧州連合 (EU) に加盟する 27 ヵ国が協働で保証する初の協働債務の発行を資金源としています。この協働債務は合意に達していませんが、欧州の結束力と安定における歴史的な第一歩となることを表しています。

MSCI EMU インデックスは 3 月の安値から 6 月 10 日にかけて 33.3%反発しましたが、S&P 500の 43.2% には劣後しています。金融および景気敏感セクター(資本財、素材、エネルギー)へのエクスポージャーにより、経済が回復しイールドカーブがスティープ化する回復の第二段階では、欧州は米国をアウトパフォームする可能性があると見ています。

black and white map of Europe

英国

英国は、新型コロナウイルス禍によって大きなダメージを被りました。英国内での感染率および死亡率は高く、ロックダウンの緩和にも時間がかかっています。OECD は 2020 年の GDP 成長率を11.5%のマイナス成長、2021 年を 9%のプラス成長と予測しています。

EU離脱交渉が、新型コロナウイルスで不透明感が高まった経済見通しを一層不確実なものにしています。EUとの通商交渉には年末までの交渉期限が設けられていますが、交渉は行き詰まっているように見受けられます。ラッセル・インベストメントでは、交渉は合意に至るものの、通商および経済にマイナスの影響を伴う合意なき離脱となるリスクが完全に払拭されているわけではないと見ています。

FTSE 100 指数は、先進国経済の株価指数の中でも最悪のパフォーマンスとなるなど、この点を反映する形となっています。EU離脱による不透明感とウイルス感染者数の減少が遅いことから、英国株式の回復には時間がかかるかもしれませんが、英国株式のバリュエーションは、配当利回りが年央時点で4.5%、トレーリング PER が 14.5 倍と、魅力的な水準となっており、ラッセル・インベストメントでは、長期的に見たバリュエーションの魅力度を好感しています。

トレーリング株価収益率(PER)は、過去 12 カ月間の実際の収益に基づいて計算した相対的バリュエーション指標です。この指標は、現在の株価を過去 12 カ月のトレーリングEPS(一株当たり利益)で叙すことで計算されます。

black and white map of United Kingdom

日本

日本経済は新型コロナウイルスによる景気減速に入る前から苦しい状況にありました。日本政府は117 兆円(1 兆米ドル)にのぼる刺激策の第二弾を可決し、財政政策が景気を下支えする形となっています。日本銀行は、政策を拡張し、商業銀行に対して企業の資金繰り支援のための資金を供給しています。オリンピック開催に伴う経済効果は 2021 年へと後ろ倒しされました。

追加的な金融緩和政策の余地が小さく、デフレ圧力も根強いという日本経済の構造的な脆弱性から、日本は今後も先進国経済に劣後すると予想しています。

black and white map of Japan

中国

中国は、新型コロナウイルス危機に最初に突入、すでにロックダウンは解除されています。製造業に続いてサービス業も回復を見せ始め、中国経済は2020 年 4-6 月期を通じて回復を遂げています。建設工事はこの 1 カ月間で大幅に増加し、大型のインフラプロジェクト型も控えています。

中国政府は支出増を狙った各世帯へのクーポン券配布など更なる景気刺激策を発表、また中国人民銀行も金融政策の更なる緩和に踏み切ることを予定しています。しかしながら、刺激策は 2015~2016 年や2007~2008 年の金融危機時に打ち出された規模には達しておらず、中国政府が過剰債務を懸念していることがうかがえます。また、米中間における地政学上のリスクは高まってはいる見られるものの、現時点での双方の主張は第一段階の合意を短期的に撤回するものではないとも見られ、国内の景気刺激策および世界経済の回復を背景に、中国経済は2020 年後半も引き続き力強い回復を継続すると考えられます。

black and white map of China

カナダ

コンセンサス予想は、カナダ経済は 2020 年に 9%縮小するとしていますが、ラッセル・インベストメントでは、より楽観的な見通しを立てています。経済の段階的な再開、原油価格の回復、そして歴史的規模の財政及び金融刺激策が景気回復への基盤を形成すると見られます。明るい見通しに対するリスクとしては、今後の消費の動向が挙げられます。直近の回復を牽引したのはカナダの消費者ですが、住宅価格の上昇が家計の純資産を引き上げたものの、債務水準も上昇しており、年央時点の高い失業率と相まって、カナダ経済の基盤には亀裂が入り始めています。

クレジットカード決済を始めとする高頻度データによれば、景気サイクルは4月で底を打ったと見られます。完全な雇用の回復には時間がかかると見られるものの、5 月には 29 万件の雇用が新規に創出されました。これはこれまでの数ヶ月に失われた雇用のわずか 10%に過ぎないものの、緩やかな回復基調にあることを表していると見ています。

black and white map of Canada

オーストラリア/ニュージーランド

オーストラリアおよびニュージーランドは、厳格な国境管理とロックダウンを組み合わせた政策が奏功し、新型コロナウイルスの収束に成功しており、足元の焦点は、経済の回復およびその足枷となる幾つかの懸念に移っています。

家計の高い債務水準および停滞する賃金の伸びを背景に、消費者が警戒を解いておらず、それがオーストラリア経済の回復に向かい風となると見られます。ニュージーランドでも家計の債務レベルが高まっているため、同様の状況に陥ることが予想されます。短期的には、観光が落ち込んでいることも両国の課題となると見ています。

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「今回の景気後退からの回復は、未曾有の金融および財政刺激策を背景に、低インフレ下の経済成長が長く続くことを意味します。」

- アンドリュー・ピーズ

資産クラス別の見通し

ラッセル・インベストメントのサイクル、バリュエーション、センチメント(CVS)から成る投資戦略決定プロセスは、世界株式を中期的にややポジティブと評価しています。米国株式は割高圏にあると判断されるものの、非米国株の妥当なバリュエーションに相殺されて世界株式全体のバリュエーション評価は、ニュートラルとなっています。センチメントも、3 月下旬の売られ過ぎの水準から戻しており、6 月中旬現在ニュートラルと評価しています。景気サイクルは、中期的にリスク資産を下支えする状況と見ています。今回の景気後退からの回復局面では、未曾有の金融および財政刺激策を背景に、低インフレ成長が長く続くことになると考えられるためです。

最近の株価の反発を受けて、センチメントは一時買われ過ぎを示唆していましたが、足元ではそれも解消されており、株式へのネガティブ材料とはなっていません。短期的には、感染拡大第二波のリスクや 11 月に大統領選に突入する米国の政治情勢を取り巻くリスクなどがあり、より慎重な見方を継続します。

  • ラッセル・インベストメントでは、米国株式よりも非米国株式を選好します。この第1の理由は、米国株式のバリュエーションが相対的に割高圏にあることですが、コロナ禍後の景気回復の第二段階では企業業績の回復が見込めると言う点も反映したものとなっています。そのような局面ではディフェンシブやグロースよりもシクリカルやバリュー優位の展開になることが多く、シクリカルやバリュー銘柄の配分が米国より多い米国以外の国の魅力度が相対的に高いと見ています。
  • 割安水準にあると判断される新興国株式を選好します。中国のロックダウン早期解除と刺激策の組み合わせは、新興国株式に広く恩恵をもたらすことになると見ています。
  • ハイイールド債および投資適格債は、スプレッドが拡大していた 3 月下旬に非常に魅力的と判断できる水準にありました。しかしスプレッドはそれ以来縮小しており、6 月中旬現在では、景気後退に続いて予想されるデフォルト率の上昇をどうにか補うことのできる水準になっています。これら債券への見通しをニュートラルと評価しています。
  • 国債は、世界的に割高水準となっていると見ています。しかしロックダウンからの回復期間中は、低インフレおよびハト派寄りの政策を取る中央銀行が国債の利回り上昇を抑えると見ています。
  • 実物資産:不動産投資信託 (REIT) は、ソーシャル・ディスタンスやオンライン・ショッピングがショッピングモールやオフィスビルに与える影響が懸念され、3 月に大幅に売られました。センチメントは強い弱気を示唆する一方で、バリュエーションは強いポジティブを示しています。これに比べて、グローバル上場インフラストラクチャー (GLI) は割高水準にあると判断されることから、GLI より REIT を選好しています。
  • 米ドルは、反シクリカルな傾向があるため、世界経済の回復期には下落する可能性があると見ています。米ドルは、通常、景気後退期や回復局面の調整時に上昇しています。最も恩恵を受けるのは、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドルといった景気に敏感なコモディティ通貨と見ています。ユーロと英ポンドには2020 年央時点で割安感が認められることから、仮に感染拡大の第二波を回避し回復が継続する場合、ユーロは上昇すると見ています。しかしながら英ポンドは、EU 離脱交渉の不透明感が払拭されないため、不安定な動きになると見ています。

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