グローバル・マーケット・アウトルック-2021年4-6月期

グローバル・マーケット・アウトルック-2021年4-6月期:新たな再生(THE SECOND COMING)

新型コロナウイルスに対するワクチンの普及と米国の景気刺激策により、世界経済は今年後半、力強く回復すると見ています。経済活動の再開に伴い、債券より株式、グロース株よりバリュー株、そして米国株式より非米国株式が選好されると考えています。

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headshot of Andrew Pease, Global Head of Investment Strategy

アンドリュー・ピーズ 

投資戦略グローバルヘッド

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2023年までは、広範なインフレ圧力が生じる可能性は低く、米連邦準備制度理事会 (FRB)が利上げを実施するタイミングは、2023年後半または2024年年初となる可能性が高いと考えています。

- アンドリュー・ピーズ

はじめに

昨年は感染再拡大により失速したものの、2021年後半を通じて経済の持続的な再開の見通しが現実となる期待が高まっています。ワクチン接種の開始と新型コロナウイルスの感染者数の状況を踏まえると、大半の先進国では第3四半期の初めまでに人口の60~70%がある程度の免疫を持つことになると考えられます。このことに加えて、米国の大規模な財政刺激策により、経済成長が加速し、金利にさらに上昇圧力がかかるのではないかという懸念が高まっています。

ラッセル・インベストメントは、今後規制が徐々に解除されるにつれ、経済は急速な回復に向けて動きだすという見方に同意するものの、インフレの圧力が増し、金利が今後12か月にわたり大幅に上昇する可能性があるという意見には同意していません。新型コロナウイルスが引き金となったロックダウンにより失われた生産を米国経済が取り戻すには、少なくとも2022年の半ばまでかかると考えており、他国についてはより長い期間を要すると見ています。このため、2023年までは、広範なインフレ圧力が生じる可能性は低く、米連邦準備制度理事会 (FRB)が利上げを実施するタイミングは、2023年後半または2024年年初となる可能性が高いと考えています。

ワクチンの普及拡大と大規模な景気刺激策を受け、サイクル(中期/景気循環)、バリュエーション(長期/割高・割安)、センチメント(短期/投資家心理)から成るラッセル・インベストメントの投資戦略決定プロセスにおいて、サイクルの部分についての判断をポジティブに引き上げました。しかし、割高感が強い米国市場は他の市場の割安感で相殺されているものの、世界株式全体では引き続き割高圏にあると考えています。センチメントは買われ過ぎに近い水準を示唆していると見ていますが、熱狂的陶酔感(ユーフォリア)と評される危険な水準に近いとは見ていません。サイクルが力強い追い風を受けていることから、ラッセル・インベストメントは、2021年を通して、バリュエーションにある割高感を勘案しても、債券より株式を選好できると考えています。このことはまた、グロース株よりもバリュー株、そして米国株式より非米国株式を今後も有望視できる有力な材料になると考えています。

2021年の1.8兆ドルにのぼる追加経済対策「米国救済対策法(American Rescue Plan)」は、新型コロナウイルス対策としての制限解除に伴い、米国の景気回復を力強く後押しすることになるとみられます。これは米国の国内総生産(GDP)の8.4%に相当し、2020年12月下旬に可決された9,000億ドルの景気刺激策に上乗せされるものです。米国は財政支援の面で他国に先行しており、その結果、2021年に先進国経済の中では最も速く成長する可能性が高くなっています。

世界の他の国々は、財政支出額では米国に及ばないものの、米国の景気刺激策の波及効果の恩恵を受けるものと思われます。経済協力開発機構(OECD)のマクロ経済モデルによると、米国の景気刺激策は今後12カ月間に日本、欧州、中国の成長率を0.5%押し上げ、世界のGDP成長率を1%強押し上げる可能性があるとされています。

債券売却に一巡感

ワクチン普及と景気刺激策を受けて、市場はFRBが金融引き締めに転じ、政策金利の引き上げに踏み切ることを予想したため、債券利回りが上昇しました。3月中旬時点で債券投資家は、FRBによる最初の利上げを2022年末までに、さらに2回の追加利上げを2023年中に予想しています。ラッセル・インベストメントは、これは時期尚早と見ており、むしろ2023年末以前の利上げの可能性は低いという3月中旬の連邦公開市場委員会(FOMC)の見通しの方が妥当なものであると考えています。

ロックダウン解除後の高成長により一部のセクターではインフレ圧力が強まることが予想されます。これは、コモディティー市場や製造業では既に明らかになっています。米国供給管理協会(ISM)製造業調査の支払価格指数(Price-paid index)は、2021年2月に13年振りの高水準を記録しました。しかし、消費者物価はサービス業を中心に形成されています。そして米国経済に余剰生産能力があることは、広範なインフレ圧力が2023年まで台頭しそうにないことをも意味しています。平均インフレターゲティングでは、FRBは消費者物価指数(CPI)で測るインフレ率が持続的に2.5%に達するのを待って金融引き締め政策を開始することが可能です。このため、2023年後半までにこの状態が訪れることは疑わしいと考えています。

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上図は、米国の10年国債利回りを、期待インフレ率及びTIPS(Treasury Inflation Protected Securities(米国物価連動国債))の利回りで測定した実質利回りの2つに分けて示したものです。今年の名目利回りの上昇の大半は、投資家が今後10年間の平均インフレ率の上昇を予測したことによるものです。このブレ-ク・イーブン・インフレ率の予想値は、ワクチン開発の成功が発表される前の2020年11月上旬の1.6%から、2021年3月中旬の2.3%へと上昇しています。もう一方の構成要素であるTIPSの実質利回りは、同じ期間に-0.9%から-0.6%に上昇しています。実質利回りの上昇は、FRBの引き締め期待が高まっていることを部分的に反映しています。ラッセル・インベストメントは、名目利回りの両構成要素が2021年中の上限に近い水準にあると考えています。インフレ期待のさらなる上昇は非現実的であり、債券投資家がFRBの引き締めを期待することは時期尚早と考えられます。無論、市場の期待がオーバーシュートすることもあり、債券利回りはさらに上昇する可能性もありますが、現在の米国10年国債利回りは2021年中に推移することが予想されるレンジの上限近くにまで到達していると見ています。

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現在の米国10年国債利回りは2021年中に推移することが予想されるレンジの上限近くにまで到達していると見ています。

- アンドリュー・ピーズ

ローテーションの継続

前四半期に続き、テクノロジー株比率の高いグロース株から、より景気敏感特性のあるバリュー株への市場のローテーションが進行しています。実際、テクノロジー株比率の高いMSCI World Growth Indexが横ばいで推移しているのに対し、MSCI World Value Indexの上昇は2021年の年初から10%を超えています。その理由の1つは、米国債利回りの上昇です。テクノロジー株は、 企業業績の拡大に要する期間が長いことから、デュレーションの長い投資とみなされます。今年の債券利回りの上昇により 将来の収益の現在価値は低下すると考えられます。債券利回りの上昇は、バリュー株にとってはこれとは逆の影響をもたらしました。バリュー株の中で最大のセクターである金融株は、銀行の収益性を高める長短利回り格差拡大の恩恵を受けています。

他方、米国の長期金利は現在ピークに近づいていると考えられます。そのため、バリュー株のアウトパフォーマンスを支える要因は今後これまでのように強いものとはならない可能性があります。しかし、バリューファクターの相対的な割安感は依然として強いことから、グロース株よりバリュー株が今後もアウトパフォームする可能性が高いとラッセル・インベストメントでは考えています。さらに、米国における景気刺激策に加えて、ロックダウンの解除が広い範囲で進んでいることなどがバリュー株比率の高い素材や資本財など、景気敏感セクターの企業業績の伸びを後押しすることになると考えています。

バリュー株優位の第二フェーズでは、 米国以外の市場がより大きな牽引役となる可能性があります。例えば、欧州は米国に比べてイールドカーブのスティープ化が進んでいないため、米国に比べて金融株のパフォーマンスが劣後しています。欧州でのワクチン接種の進展と今年後半にかけてのロックダウンの解除が欧州の債券利回りに対する上昇圧力となり、バリューファクターをさらに押し上げることが予想されます。

米国の大型株で構成されるS&P500®指数は、3月下旬時点でグロースファクターを構成するテクノロジーやヘルスケア関連株の比率が相対的に高く、一方で他のグローバル市場ではバリューファクターを構成する金融や景気敏感株の比率が米国株式市場と比較して高くなっています。今年の下半期、世界的にロックダウンが解除されていく過程では、米国以外の株式市場によるアウトパフォームの傾向が強まると見ています。

リスク:良いニュースのオンパレード

ワクチンに対して耐性を持つ可能性のある新型コロナウイルスの変異種についての懸念はまだ残っており、一部の国ではワクチンの普及も遅れています。欧州の一部の国では感染率が再び上昇傾向にあるため、ロックダウン措置が最近強化されています。またこれらのロックダウンは、期間が延長される可能性もあります。しかし、これまでのところ、ワクチン接種プログラムが最も成功しているイスラエル、英国、米国では、新規感染率と入院率が持続的に低下傾向にあります。

ワクチン普及や景気刺激策に関する好材料は、長期金利が予想以上に上昇する大きなリスクがあることを意味しています。つまり、歴史的な割高圏にあり、低金利環境であることを勘案しなければ魅力的に見えない米国株式に試練をもたらす可能性があります。

ために、低金利を維持する 期間を延長する旨を明らかにしています。他の主要中央銀行も同様にハト派的な姿勢を維持しています。

 

地域別の所見

 

米国

米国は力強い成長への準備が整っています。最近成立した1.8兆ドルの財政刺激策は、米国の消費者に新しい大きな刺激となっています。そして、この刺激策の実行タイミングは、ワクチンが広く行き渡り、経済が再加速しているであろう今年半ば頃となる見通しです。経済活動がより完全に再開された状態になれば、蓄積されている需要が解き放たれ、サービス業の強い回復を後押しすると見ています。例えば、家族で再び休暇で旅行に出掛けられるようになれば、航空需要が予想を上回る可能性が高くなります。すでにデータ上では、90日以上先の旅行予約が大幅に増加しており、経済活動再開とのテーマを裏付けるものとなっています。2021年の米国の実質GDP成長率が+7%となる可能性があります。これが実現すれば、1984年以来の高成長となります。良いニュースは、トレンドを上回るこのような高成長の多くを吸収する余剰生産能力が米国経済には残っていることです。FRBは2023年後半から2024年前半までゼロ金利政策を維持すると思われますので、ここからの10年国債利回りの上昇は緩やかなものになると見ています。GDPと企業収益の成長に関する市場のコンセンサスは現在一様に楽観的です。ベンチマークである米国株式市場の市場特性は、超大型株のテクノロジー株など、2020年のコロナ禍における勝ち組に大きく傾いていますが、ラッセル・インベストメントは引き続き、株式市場において割安感のある、より景気敏感特性のある分野に大きな投資機会があると見ています。これらの銘柄も、過去2四半期に亘り堅調に推移しましたが、相対的にはまだバリュエーションが魅力的な水準にあると考えています。

black and white map of United States

ユーロ圏

欧州においては、ワクチンの接種開始に遅れが生じ、景気刺激策も小規模であることは、経済成長が米国に後れを取ることを意味しています。3月中旬時点で、フランス、ドイツ、イタリア、スペインでは、少なくとも1回のワクチン接種を受けた人口は全体の10%未満でした。これとは対照的に、米国ではそれが25%近く、英国では40%にのぼりました。欧州では感染率が再び上昇しており、複数の国で新たなロックダウン措置がとられています。しかし、欧州におけるワクチン接種のペースは加速していることから、同地域は第3四半期までの経済再開へ向け前進を続けているとみられます。ロックダウン解除後の景気回復が非常に力強いものとなる可能性があり、2020年に7%近く低下したGDP成長率が、今年は約+5%まで回復すると見ています。

ラッセル・インベストメントは、欧州株式を示すMSCI EMU指数が2021年はS&P500®指数をアウトパフォームすると見ています。欧州株式は、金融セクターに加え、資本財・素材・エネルギーなどの景気敏感セクターの比率が高く、一方で、テクノロジー関連株の比率は低いことから、欧州における経済活動が活発化し、イールドカーブのスティープニングが進むようなワクチン普及後の景気回復局面においては米国株式をアウトパフォームする可能性を秘めていると考えています。

black and white map of Europe

英国

ワクチン接種の迅速な展開は、昨年9.9%減少した英国のGDP成長率の大きな回復に寄与すると考えられます。2021年のGDP成長率は最大+7%になる可能性があり、2022年も大きく減速はしないと思われます。イングランド銀行は景気回復期にも政策金利を据え置く公算が大きく、よって英国債利回りの上昇は抑制され、米国債利回りと同程度の上昇に留まると思われます。FTSE100指数の推移は、英国株式が近年では欧州域内で相対的に最も低位のパフォーマンスに甘んじていることを示していますが、経済に連動して見通しは改善しています。FTSE100指数は、主要市場の中で最も割安感があると判断され、英国企業の企業業績の伸びは、2020年の35%減から大きく回復するとみられます。英国株式市場はまた、素材・金融など景気敏感特性のあるバリュー株の比率が相対的に高いため、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後の経済活動再開で恩恵を受けることになる地域とみられます。金融株は、イールドカーブのスティープ化による長短金利差の改善にも後押しされると思われます。小型株は、ワクチン開発の発表以来堅調に推移していますが、ロックダウンによる経済崩壊からの回復に伴い、まだ上値余地があると見ています。英ポンドは対米ドルで1.39と、OECDの購買力平価の適正水準近傍で推移していますが、向こう12カ月間の見通しでは上値余地もあると見ています。昨年のパンデミック以降、英ポンドは対米ドルで20%上昇しました。英国経済の見通しが明るくなればさらに上昇する可能性がありますが、バリュエーションが次第に逆風となる可能性には注意が必要です。

black and white map of United Kingdom

日本

2021年日本の経済成長は、歴史的な高成長を実現するとみられますが、他の主要経済圏に比較して大幅に遅れる可能性も高いと引き続き考えています。承認プロセスの長期化に伴うワクチン普及の遅れは、集団的な免疫獲得の可能性を後退させるものです。2021年1月初旬に発表された緊急事態宣言発令のようなリスクはまだ残ると考えられますが、今後の追加的な制限による経済への影響は、これまでのような深刻なものとはならないと見ています。

7月に開催予定の東京オリンピックがもたらす経済への潜在的な押し上げ効果については、海外からの観客を迎えずに行われる可能性が非常に高くなっていることを考えると当初の予想より小さなものとなります。しかし、オリンピック関連の建設は既に完了しており、2020年の10-12月期までの力強い成長の実現に一部寄与したと考えられます。

black and white map of Japan

中国

中国の経済成長は世界経済の回復が追い風となり、2021年には勢いを増すとラッセル・インベストメントは予想しています。中国はパンデミックによるロックダウンに一番早く入り、同様に抜け出した国でした。中国は今年、景気引締め策を他国に先駆けて導入すると考えられます。重要なことは、これが段階的なプロセスになると考えられることで、政策当局は景気の変動に敏感であり、労働市場に弱さの兆候が見られる場合はすぐに引き締め策を緩和すると予想しています。また、国内消費は、自動車購入促進を含む政府の奨励策や雇用の拡大による家計所得の増加に後押しされ、今年も需給の均衡が図られた成長をもたらすものと考えています。

米中間には引き続き緊張が続いているものの、米国経済が景気回復の初期段階にあって、米新政権がさらに対立を拡大する対応を採ることもないと見ています。

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カナダ

カナダ経済は、米国よりも大規模なロックダウンを実施したにもかかわらず、驚くべき回復力を示しています。市場コンセンサスによる2021年のGDP成長率の見通しは+5.5%程度に上方修正され、カナダ銀行(BoC)の予測値である+4.0%と比べると大幅に改善しています。今回の上方修正は、ラッセル・インベストメントとしても適切なものであると考えています。カナダの経済成長の主な牽引役は好調な住宅市場で同国の建設業界を支えています。また、景気刺激策に後押しされた米国経済もカナダの輸出の拡大に貢献しています。

ラッセル・インベストメントでは、カナダ銀行が4月の定例会合で成長見通しを上方修正するものの、金融政策の据え置きを引き続き示唆するものと予想しています。カナダ銀行の計算によると、2020年末の需給ギャップはGDPの3.3%に相当し、そのギャップが解消され、インフレ目標が「持続的に達成される」までは金融緩和政策が必要であると考えていることも示唆しています。同銀行はまた、FRBが金融引き締めを開始するまで利上げを遅らせるとみられることから、最初の利上げは2年先になる可能性があると考えています。

カナダ株式の見通しについては相対的に楽観的です。サイクル改善が景気敏感セクターとバリューファクターを支えており、米国株式よりも相対的に割安と判断されるバリュエーションを考え合わせると、カナダ株式が今年、米国株式をアウトパフォームする可能性が高いことを示唆していると見ています。

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オーストラリアおよびニュージーランド

オーストラリアとニュージーランドの今年のGDP成長率は、他の先進国の多くと比較して低位に留まる可能性がありますが、この主な要因は、両国の新型コロナウイルス感染率が相対的に低かったことで2020年の景気悪化も限定的だったことにあります。

オーストラリアでは今後数カ月の間に幾つかの支援策が縮小される予定ですが、これらの支援策によって覆い隠されていた経済的損失がないかを注意深くモニタリングしていく予定です。倒産件数の増加は予想していますが、元々の件数が非常に少なく、一時的な企業倒産法の改正で抑制されていたことから、あまり大きな懸念事項とは考えていません。

オーストラリア準備銀行(RBA)とニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、来年にかけて緩和的な金融政策を維持すると思われます。RBNZの姿勢に変化は予想されませんが、RBAは第2弾終了後に第3弾の量的緩和を実施すると考えられます。RBNZは最近、金融政策を決定する際に住宅価格への影響も考慮し始めましたが、このことによって利上げの可能性が高まることはなく、むしろマクロプルーデンス政策がより重視されることになるとラッセル・インベストメントは考えています1 。貸し出し基準の悪化を示す証左が見つかれば、オーストラリアではマクロプルーデンス政策の強化に回帰する可能性があると考えています。

オーストラリア株式はニュージーランド株式を引き続きアウトパフォームすると見ています。オーストラリア株式は、相対的にバリュエーションが魅力的で、加えて世界の株式市場を牽引する可能性のある景気敏感・バリュー株の比率がニュージーランド株式よりも高い特性があります。またRBAが金融緩和により積極的な姿勢を取っていることから、ニュージーランドの債券はオーストラリアの債券をアンダーパフォームする可能性が高い、つまりニュージーランドの金利はオーストラリア対比では上昇するリスクが大きいと見ています。

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ユーロ圏ではロックダウン解除後の景気回復が非常に力強いものとなる可能性があり、2020年に7%近く低下したGDP成長率が、今年は約+5%まで回復すると見ています。

- アンドリュー・ピーズ

資産クラス別の見通し

ラッセル・インベストメントのサイクル(中期/景気循環)、バリュエーション(長期/割高・割安)、センチメント(短期/投資家心理)(CVS)の3つの柱から成る投資判断プロセスは、2021年3月下旬の時点で世界株式を中期的にややポジティブと評価しています。米国株式は割高圏にある一方で、非米国株式は妥当と判断されるバリュエーションであることから、世界株式全体のバリュエーションはやや割高と見ています。センチメントは若干買われ過ぎの水準と評価していますが、民主党が米国上院を制することが確定した1月以降に達した熱狂的陶酔感(ユーフォリア)とも評される水準近くからは後退しています。景気サイクルは、中期的にリスク資産を下支えする状況と見ています。今回の景気後退からの回復局面では、金融緩和および財政刺激策を背景に、低インフレの成長局面が長く続くことになると考えられます。

Composite contrarian indicator

  • ラッセル・インベストメントは米国株式よりも非米国株式を選好します。ワクチン普及後の景気回復局面では、割安感があり、景気敏感特性のあるバリュー株の方が、割高なテクノロジー株やグロース株よりも好感されると考えています。米国以外の主要市場では、景気敏感特性のあるバリュー株の比率が米国に比して高い状態にあります。
  • ラッセル・インベストメントは、新興国株式 の割安感を好感しています。中国の他国に先駆けた早期のロックダウン解除と景気刺激策の組み合わせは、世界的な需要回復と景気回復局面で予想される米ドル安傾向と共に、新興国株式に広く恩恵をもたらすことになると見ています
  • ハイ・イールド債および投資適格社債は、クレジット・スプレッドの観点から若干割高とみているものの、ワクチン完成後の景気サイクルの見通しは支援的に作用するとみています。ラッセル・インベストメントでは、バンクローンおよび米ドル建ての新興国債券が良好な投資機会を提供すると考えています。
  • 国債は、直近の金利上昇を受けても、割高圏で推移しているように見えます。しかしながら、景気回復局面においても、低インフレ環境およびハト派寄りの政策を採る中央銀行が国債の利回り上昇を抑えると見ています。
  • 実物資産:不動産投資信託 (REIT) は、ソーシャル・ディスタンスやオンライン・ショッピングがオフィスビルやショッピングモールに与える影響が投資家に懸念され、2020年に大幅に売り込まれました。REITは相対的に割安と判断され、パンデミックからの回復局面では投資妙味があると見ています。運輸やエネルギーインフラストラクチャーの需要も高まると考えられることから、REITに比べて割高感はあるものの、上場インフラストラクチャーも世界的な景気回復の恩恵を受けると考えています。
  • 米ドルは今年、米国の景気刺激策とFRBの早期金融引き締め観測が下支え要因となっています。年後半にかけて、投資家はFRBの金融引締め観測を弱めていくことが予想されるため、米ドルは次第に弱含むと見ています。また、世界経済が減速すると上昇し、回復期には下落する傾向が米ドルにはあることからも、世界経済の回復が加速するに連れてドル安が進むと見ています。そしてこの恩恵を最も受けることになるのは、依然として割安感も認められるユーロになると見ています。また、長期的にはもはや割安感が感じられないものの、英ポンドに加えて、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルなどの景気敏感特性のある資源国通貨にはさらなる上昇余地があると考えています。

Q3 GMO 2020 Asset Performance

1 マクロプルーデンス規制は、金融システム全体へのリスクを軽減することを目的とした金融規制へのアプローチです。

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