アウトルック

グローバル・マーケット・アウトルック
2019年10-12月期:「合意無き離脱」の妙

米中貿易協議の行方およびブレグジットを取り巻く不透明感が、今後の見通しを困難なものにしています。これら予測が困難な協議の行方の不透明感からリスクが高まっている一方で、景気後退入りが回避され、景気サイクルの回復期があと数年延長される可能性が残されている証も認められます。

アウトルック

グローバル・マーケット・アウトルック
2019年10-12月期:「合意無き離脱」の妙

米中貿易協議の行方およびブレグジットを取り巻く不透明感が、今後の見通しを困難なものにしています。これら予測が困難な協議の行方の不透明感からリスクが高まっている一方で、景気後退入りが回避され、景気サイクルの回復期があと数年延長される可能性が残されている証も認められます。

はじめに

2020年に予定されている米大統領選挙を前に、米中貿易摩擦は緩和に向かう可能性が高いとみていますが、どちらに転がるかを予測することは難しく、すでに被った打撃を鑑み、世界経済に対する慎重な見通しを継続します。

選挙をにらんだ方向転換を待つ

貿易戦争を取り巻くリスクは転換点を迎え、ドナルド・トランプ米大統領と習近平国家主席の次なる動きが待たれています。トランプ大統領が得意の圧力を最大限にかける戦略を再開するか、習近平国家首席が妥協案を拒むようなことがあれば、世界の景気後退懸念が再燃すると考えられます。また、トランプ大統領の方向転換が遅きに失する可能性もあります。企業の景況感やグローバルなサプライチェーンはすでに打撃を被っていると見られ、逆イールドカーブが差し迫った景気後退を正確に予想していることを示唆しています。

これに代わるシナリオとして、貿易戦争が収束に向かい、世界の中央銀行が協調的な金融緩和政策を行い、中国政府が大規模な景気刺激策を投入すれば、2020年初頭には堅調な世界経済の成長への基盤が整い、株式の強気相場が長期化することが考えられます。

私たちはポジティブなシナリオを好む傾向がありますが、下方リスクが潜んでいることは世界の製造業データの悪化や米国債の逆イールドの継続を見れば明らかです。2019年10-12月期を迎えるにあたり、警戒的な見通しを継続します。

ラッセル・インベストメントは、さらなる貿易戦争の激化により米国経済が景気後退入りする確率が高まることを懸念しています。米連邦準備制度理事会 (FRB) は、逆イールドの動向に焦点と当てていると考えており、年内にあと1回の追加利下げに踏み切る可能性があると見ています。

欧州中央銀行 (ECB) は、この9月に量的緩和の再開とマイナス金利の延長という最後の大型弾を発射しました。ドイツの自動車生産は未だ回復していませんが、信用(貸出)の伸びはユーロ圏全体で回復しています。欧州がこれから辿る道は、貿易戦争の解決による大規模な勝者となるか、もしくは激化による敗者となるかのどちらかと見ています。

アジア太平洋地域は、貿易額の減少により経済指標が鈍化するとみています。中国の景気刺激策については再三語られていますが、公表されたデータを見る限り、その効果は未だ確認できていません。当地域の株式のバリュエーションは、全般的にまずまずの水準にあり、多くの中央銀行が金融政策を緩和しています。貿易戦争の激化と中国の景気刺激策の動向が、引き続き鍵となるウオッチポイントと見ています。

為替市場では、英ポンド/米ドルに割安感が認められ、合意無き離脱が回避された暁には、かなりの上昇が期待できると見ています。しかしながら、依然として割安でディフェンシブな分散効果をもたらす日本円を選好します。

この数カ月間、ラッセル・インベストメントのビジネス・サイクル・インデックス(BCI)モデル1は、米国の景気後退入り確率が警戒ゾーンに近い水準で推移していることを示しています。FRBが追加利下げを行い、マクロ及び金融データが改善すれば、向こう数カ月間に警戒ゾーンから脱出する可能性もありますが、ラッセル・インベストメントは、引き続き警戒的な見通しを継続します。

1ビジネスサイクル・インデックス(BCI)は、ラッセル・インベストメントの投資戦略チームが開発した指数で、主な経済指標の予測と共に、今後数カ月の景気拡大または景気後退の強さを予測するものです。当指数は、非農業部門雇用者数、コア物価指数(食品およびエネルギーを除く)、イールドカーブの傾斜、Aaa格事業債とBaa格事業債のイールドスプレッド、そして短期社債と短期国債とのイールドスプレッド等、様々な金融およびマクロ経済データを用いて算出されています。

 

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