アジア太平洋地域
OUTLOOK

貿易摩擦緩和から恩恵

中国の景気刺激策の効果が出始めており、今後アジア太平洋経済を下支えすることが期待されます。インド経済は底堅い成長、日本経済はトレンドを上回る成長を見込んでいます。株価は適正水準にあると考えられ、2019年の企業収益は市場の期待に応えるものになるとみています。貿易摩擦が成長を著しく減退させるとは見ていなかったものの、リスクが低下していることは好材料です。

ご留意事項 必ずお読み下さい 

アジア太平洋地域では、中国の景気刺激策の恩恵が期待でき、アジアの新興国株式は、2019年、10%の利益成長率を見込んでいます。日本の経済活動には失望感があるものの、コンセンサスの収益予想の大幅な下方修正はあまりにも悲観的過ぎると見ています。リスクとしては、4月のインドの総選挙、10月に予定されている日本の消費税率の引き上げを注視しています。

中国については、前述した通り、2019年にGDP成長率6%を達成できると見込んでおり、従前に比べより建設的な見方をしています。最近発表された景気刺激策(減税を含む)は、この見通しを裏付けるものとなっています。

MSCIによるグローバル株式インデックスにおける中国本土市場株式(A株)のウェイト引き上げ決定を受けて、中国株式への大規模な投資資金の流入が見込まれています。この変更により、年間で中国本土市場株式は最大700億ドル買われると見ています。また、中国国債もブルームバーグ・バークレイズ・グローバル・アグリゲート・インデックスに追加されるため、中国債への資金流入も見込まれます。

インド経済は、2018年の水準をやや下回るものの、底堅く推移するものと見ています。インドの世論調査では、現職のナレンドラ・モディ首相が過半数にこそ届かないものの、最大議席数を確保すると見られています。インドの経済成長は、この1年間、最も期待はずれなものとなりましたが、その一要因であった投資にさらなる逆風となると見ています。インド準備銀行は世界に歩調を合わせ、より緩和的な金融政策へ転換しました。

韓国、台湾の成長見通しはやや後退しているものの、2019年までは前向きなものと見ています。中国経済成長の安定化は追い風になるとみられます。韓国経済はより緩和的な金融政策の恩恵を受ける可能性が高いと見られます。韓国銀行による金利引き上げや政府による社会支出の増加は今年を通じて予想されていません。

日本においては、期待外れな経済指標が相次いでおり、経済はこの一年の間、2四半期においてマイナス成長となりました。ラッセル・インベストメントは、日本経済は長期トレンドを若干上回る成長を遂げると予想しており、建設的な見通しを維持します(ただし、国内の成長率トレンドは、人口減少などの人口ダイナミック判断を考慮すると非常に低くなっています)。インフレ率は依然として低調ですが、特に食品・サービス業では(労働需給が極めて逼迫しているため)上昇している事例が出てきています。今年の大きなハードルは、10月に予定されている消費税率の引き上げですが、期待はずれの経済データ、低迷するインフレ率、消費税率の引き上げなどを背景に、日本銀行は2019年を通じて現在の金融政策を維持するものと見られます。

オーストラリアの景気見通しは、住宅市場の落ち込みが景気を圧迫していることから、ここ数カ月悪化傾向を示しています。オーストラリア準備銀行(RBA)は、対応策を取るなどしていませんが、これは、RBAがこれまで過熱感の高かった住宅価格がむしろ調整することを望んでいたことを鑑みれば、驚くには及びません。市場は年末までに1回の利下げを織り込んでいます。しかしラッセル・インベストメントは、労働市場の強さを考えれば、利下げの可能性は低いと見ています。

ニュージーランドでは、潜在的な財政刺激策及び緩和的な金融政策との追い風と、人口成長の鈍化及び住宅市場の減速との向かい風が拮抗しています。RBA同様、ニュージーランド準備銀行が今年利上げする可能性は低いと考えています。特に当地域では、外需は引き続きプラスに寄与するとみています。

総じてアジア太平洋地域において、貿易戦争を巡るリスクは緩和されたと見ていますが、日本の消費税率の引き上げもあることから、依然として残っていると考えます。

 

投資戦略の見通し

  • 景気サイクル:中国の景気刺激策に支えられ、アジア太平洋地域に対する見方はより前向きなものとなりつつあります。
  • バリュエーション:年初来好調なスタートを切ったものの、株式バリュエーションが拡大する兆しは見られていません。中国本土株式市場は魅力的なバリュエーションとなっており、日本株式は適正水準にあると考えます。ニュージーランド株式はオーストラリア株式ほど魅力的ではないとみています。
  • センチメント:当地域への投資は、MSCIが中国A株に対する組み入れ比率の拡大によっても増加すると考えられます。アジア新興国株式への投資家の関心も高まっていくと見られます1
  • 結論:アジア太平洋地域では、堅固なファンダメンタルズの成長と中国の景気刺激策に支えられ、同地域の先進国よりも新興国への選好を維持します。

 

※ 上記の正式原本は以下英語版のものであり、翻訳文は原本を理解する上での参考資料です。原本と翻訳に矛盾が有る場合は、原本が優先します。
https://russellinvestments.com/us/global-market-outlook/asia-pacific

1開発途上アジアには、中東及びアジア地区の先進国 (日本、シンガポール、香港、韓国、台湾)を除くアジア大陸全ての国が含まれます。

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