限られたリソースでより多くをこなす:OCIOの力

2025-03-17

Peter Corippo

Peter Corippo

Managing Director, Fiduciary Solutions - Retirement




以下は、2025年3月18日にラッセル・インベストメント(米国)のHPに掲載された英文記事を翻訳したものです。原文はこちら

要点:

  • キャッシュエクイタイゼーション(流動資金の株式化)やヘッジ戦略などの専門的な業務を外部委託すれば、主要業務に専念できるようになる。
  • プライベートマーケット戦略の実施など、専門的な業務を取り入れることで、チーム全体の能力が拡大し、結果として業務の処理能力やポートフォリオ・パフォーマンスが向上する。
  • まず1つの業務を外部委託するなど、小さなことから始めることで、それが自分に合っているかを判断できる。

最近、私はまた1つ歳を重ねた。誕生日には、もちろん誕生日ケーキを食べないわけにはいかない。どのケーキが良いだろう。チョコレートケーキかレッドベルベットケーキか、それともストロベリーケーキか……などと考えている時、誕生日ケーキを手に入れる方法が3つあることに気づいた。自分で作ることもできるし、友人に頼んで作ってもらうこともできる。あるいは、洋菓子店に買いに行くこともできる。

お気づきのとおり、どの方法を選んでも、コストとリソースがかかる。最初に挙げた「自分で作る」という方法は、つまり自分で材料を買い、限りある時間を消費してケーキを作ることになる。「友人に頼んで作ってもらう」という方法は、友人にお金を支払い、忙しい中でもケーキ作りを優先してもらうことを意味する。どちらも1つのリソース(自分または友人)にすべての負担をかけることになるため、良い方法とは思えない。

3つ目は「洋菓子店にケーキを買いに行く」という方法だが、これが正解に思える。このシナリオでは、ケーキを手に入れるコストは先ほどの2つの方法とほぼ同じだが、リソースの面では制約が大幅に少なくなる。ケーキ作りの仕事を担うのが、自分や友人ではなく、十分な従業員と安定した材料供給を持つ、リソースの豊富な洋菓子店になるからだ。同様に重要なのは、おいしいデザート作りの専門店で購入すれば、間違いなくとてもおいしいケーキが手に入るということだ。(こう言うと友人や自分には申し訳ないが)

では、誕生日ケーキを購入する経験が、OCIO(外部委託最高投資責任者)の業務とどのように関係しているのだろうか? ケーキ作りでも投資管理でも、大まかに言えば、誰がその業務を担うかを決めるプロセスは非常に似ている。つまり、タスクを1人で処理するか? チームメイトに割り当てるか? それとも第三者に割り当てるか?ということだ。

コストとリソースの観点から、それぞれの選択肢を検討しつつ、投資管理プロセスについて深く見ていこう。この記事を読み終えるころには、OCIOと洋菓子店のケーキには共通する重要なポイントがあることに気づいていただけるだろう。つまり、どちらもうまくいくということだ。

リソースの制約

現在、多くの投資担当者にとって、企業の投資プログラムを実行するために与えられた予算とリソースは変更できないことが多い。つまり、担当者が仕事に就く前から、予算とリソースは決定されているということだ。例えば、私の話を聞いてほしい。私は20年間、公共エネルギー企業でCIOを務めていた経験がある。その企業の投資プログラムの責任者として、私には 2名のスタッフが与えられ、予算を変更することはできなかった。スタッフを増員するための予算を確保することはできなかった。

そうした状況にもかかわらず、私の業務量は膨大だった。私は会社の投資方針を再編成し、幅広い資産クラスで最も高い成果を挙げている運用会社を調査する必要があった。動的な資産配分を検討し、ポートフォリオが多くの課題に直面しても耐えられるようにする必要があった。こうした戦略を効率的かつ効果的に実行する必要があり、さらにやるべきことは山ほどあった。言いたいことはわかると思う。

多くの投資担当者の例に漏れず、私も気付いた。私とチームだけでは、やりたいことを すべて実行するのは不可能 だということに。3人体制のチームでは、内部リソースがあまりに少なく、1日に十分な時間を確保できなかった。そして私は、究極の決断を迫られることになる。業務を減らすか、限られたリソースでより多くの業務をこなすかの二択だ。

予算を拡張する

どうすれば業務を減らせるか? この方法は1つ。アクティブ・マネジメントの代わりにパッシブ・マネジメントを増やすことで、ポートフォリオ構造をシンプルにすることができる。ただこの場合、得られるはずの利益を取り逃すことになる。受託者としては、この選択は正しいとは思えなかった。

限られたリソースでより多くの業務をこなすのはどうだろうか? これは非常に難しいように思えるだろう。私も最初は難しいと思ったが、そこでひらめいた。内部リソースを増やすことは不可能でも、外部リソースならどうだろうか? 予算を活用して、投資業務の一部を外部プロバイダーに委託する方法はあるだろうか? そうすれば、OCIOプロバイダーが必要なタスクをこなしている間、チームも私も、緊急性の高いタスクに集中することができるのではないか?

答えはすぐに出た。間違いなく「Yes」だった。要するに、OCIOプロバイダーに委託すれば、私のチームは同じリソースでより多くのことをこなせる。なぜなら、OCIOは本質的に私のチームの「拡張版」といえる存在だからだ。まず、私たちはキャッシュエクイタイゼーションや為替ヘッジ業務を外部委託した。こうすることで、私とチームは、他の緊急業務を処理するためのリソースを得ることができた。私たちは徐々に外部委託を進めていったが、そうするうちに、 外部リソースをフルに活用することで 、より効率的かつ生産的な投資プログラムを実行できることに気づいた。結局のところ、これこそがOCIOの本質だ。つまり、OCIOとはリソースの制約を広げ、限られたリソースでより多くの業務をこなせるようにするサービスなのだ。

また、OCIOは限られたリソースの中で、「より良い」成果を生み出す手助けもしてくれる。例えば、ある投資家が小型株への配分を管理しているとする。しかし、この投資家はその配分を十分に活用できているだろうか? どれほどの利益を取り逃がしているだろうか? MoM(マネージャー・オブ・マネージャー)など、優れた運用会社を見つけることに特化したプロバイダーと連携することで、目から鱗の経験をすることになるかもしれない。彼らが自分では考えつかなかった戦略を用いたり、聞いたことのない運用会社と連携したりする可能性もある。

プライベートマーケットの例

OCIOパートナーシップで得られる外部リソースを活用することで、企業は自社だけでは通常対応が難しい複雑な投資ソリューションにアクセスできる可能性がある。これを端的に示す例が、プライベートマーケットだ。

特に上場企業の数が減り続ける昨今において、プライベートセクターは 豊富な投資機会に恵まれていると考えられる。最近の資産/負債モデルに関する調査を見る限り、プライベート・エクイティ、私募不動産、プライベート・デットへの配分を組み込むことが、長期投資家にとって有益であることは間違いないと確信している。率直に言って、多くの企業にとって、全天候型ポートフォリオにオルタナティブを組み込むことは、戦略的に見て迷うまでもなく明らかに有益だ。

ただ、オルタナティブの配分を増やすことを決定するのは簡単だが、難しいのは実際の行動、つまりその戦略を実施することである。よく考えて慎重に決断する必要がある。実際、プライベートマーケットをポートフォリオに組み込むことは、キャピタルコールや運用会社の採用、長期にわたる配分の管理、バリュエーション、会計など、非常に多くのプロセスが必要となる。これらはすべて、複雑な業務だ。簡単にできるものではなく、多くの時間とリソースを消費する。アセットオーナーが自分でできないというわけではないが、どれくらいのコストがかかるだろうか? どれほどの時間がかかるだろうか? 後回しとなる優先事項は何だろうか?

こうして考えてみると、2つの選択肢が生じる。プライベートマーケットへの投資を完全に見送るか、それともすぐに導入可能なオルタナティブ投資のソリューションを提供できる専門家を雇うか、である。私なら、後者を選んで、同じリソースでより多くのことをこなそうとするだろう。

結論

もちろん、投資プログラムの管理は非常に負担の大きい仕事だ。特に、予算や内部スタッフの人数が限られている現在のコスト削減の環境では、そのストレスは一層増すだろう。ただ、考え方を変えて、リソースを拡大することで、ソリューションは見つかる。自分自身に問いかけてほしい。他の誰かができることを、私はしているだろうか? 他の誰かができることを、私はしていないだろうか?

何かわかったらメモを取ろう。次に、そうした業務を対処する外部投資ソリューションプロバイダーの活用を検討しよう。なぜなら、誕生日ケーキの例と同じように、時には他の人に任せたほうがうまくいくこともあるからだ。


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