ラッセル・インベストメントが効果的なESGスコアリングを公表

この本文は、2018年3月6日にラッセル・インベストメントが米国で発表した英文ニュースリリースを翻訳したものです。

2018年3月6日、グローバル資産運用会社ラッセル・インベストメント(本社:米国ワシントン州シアトル市)は、上場企業の財務実績に影響を与える可能性のあるESG要因をより正確に特定する重要(material)なESGスコアにより、ESG(環境、社会およびガバナンス)投資の研究に進歩をもたらしました。研究成果は、本日発表された「Materiality Matters:パフォーマンスに影響を及ぼすESG項目のターゲティング」という論文に掲載されました。この論文は、これらの重要(material)なESGスコアが、従来の重要とは言い難いESGスコアと比較して、株式リターンのより優れた予測因子であるという研究を提示しています。

当論文の著者であり、ラッセル・インベストメントの株式戦略・リサーチ担当部長であるスコット・ベネットは、「私たちの新しい重要な指標により、ESG投資家は従来のESGスコアよりも正確な方法で企業を識別することができます。現在では、事業や収益性に重要な財務的影響を及ぼすESG項目に高い評価を得ている企業を識別することができます。」と述べています。

ベネットは、特定のESG項目の妥当性が企業や業界によって異なることが、画一的なESGスコアリングシステムの有効性を低下させていることを見出したと、付け加えました。たとえば、燃料効率は、投資銀行に対してよりも、航空会社の収益により大きな影響を与えます。

「従来のESGスコアは、評価される事業にとって重要ではない多くの項目から構成されていることが分かりました。ラッセル・グローバル・大型株インデックスにおける多様な事例を用いて検証したところ、当該指数の構成銘柄の3分の2の銘柄群では、従来のESGスコアに含まれるデータ項目の25%未満相当のみが、重要な要因とみなせることが判りました」、ともベネットは述べています。

新しいスコアリング方法を構築するために、研究チームは、銘柄選択以外のさまざまな理由で使用される、データプロバイダーであるサステナリティクス社の包括的なESGスコア、および、米国サステナビリティ会計基準審議会(SASB)が開発した業種別マテリアリティマップから取り組みを始めました。

「私たちのマテリアルスコアは従来のスコアと正の相関がありますが、大きな違いがあります。私たちの調査では、重要(material)なESGファクターの高さに基づく企業投資は、重要でない(immaterial)ファクターの高い企業投資に比較して著しく良好な結果となることが示唆されています。」、ともベネットは述べています。

研究チームは、2012年12月から2017年6月までのラッセル・グローバル・大型株インデックスを用いて新しいスコアをバックテストし、企業の重要(material)なESGスコアが投資判断を知らせる有望なシグナルを提供することを発見しました。バックテストでは、より高いESGスコアを持つラッセル・グローバル・大型株インデックス採用銘柄を選択した投資家が、従来のESGスコアを使用した場合に比べて、更に潜在的に22ベーシスポイント増加する可能性があったという結果になりました。

ベネットは、また、これらのシミュレーション結果は、企業が収益に直接影響する重要(material)なESG項目により重点を置くことを積極的に推奨する気候関連財務情報開示タスクフォースや国連責任投資原則(UNPRI)のような業界団体の期待にも沿っている、と付け加えました。

これらの初期段階の成果はまた、ラッセル・インベストメントに新しい重要(material)なESGスコアリングのアプローチを現在の脱炭素化戦略に組み込むことを促進し、世界中のいくつかの市場で利用可能な低炭素投資ファンドの基盤になると考えられます。

ラッセル・インベストメントの非営利団体及び医療システム担当マネージング・ディレクターのリサ・シュナイダーは、「この新しいESGスコアリング手法は、業界のESGパフォーマンス・ドライバーの理解を促進するもので、こうしたソート・リーダーシップをお客様に提供できることを嬉しく思います」、 と述べました。

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※ラッセル・インベストメント(米国)のウェブサイトに移動します。

以上

 

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※1 2017年12月末現在 グループ合算 為替換算レート:112.65円/ドル、運用資産残高には、オーバーレイ運用を含みます。

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