コンサルティング業務をルーツとする企業がより優れたOCIOプロバイダーになる3つの理由
概要:
- 私たちは、コンサルティング・マインドを持つ企業こそ、より優れたOCIOプロバイダーになれると確信しています。
- コンサルタント主導のアプローチから生まれるイノベーションと視点は、規模の大小にかかわらず、すべてのOCIOクライアントに利益をもたらすと私たちは考えています。その主な理由は、コンサルティング・マインドを持つ企業は、クライアントにとって最善のソリューションを、それがどこに存在するかを問わず、探してくるよう訓練されているからです。
- コンサルティング・マインドを持つ企業は、規模とアクセス性の適切な組み合わせと、新規の課題を解決する豊富な経験を持っています。これらはすべて、世界で最も複雑な投資に関する経験の蓄積から生まれたものです。
ほとんどの人は、カメラ付き携帯電話とOCIO(Outsourced Chief Investment Officer)を同じカテゴリーに分類することはないでしょう。でも一見無関係に見えるこの2つのイノベーションの起点は、実は同じようなものだったのです。
つまりは、どちらも、非常に複雑な課題を解決するための、より広範な取り組みに呼応して誕生したのです。
カメラ付き携帯電話から見てみましょう。今日の携帯電話には、画像キャプチャー機能が搭載されていることが当たり前ですが、各国が宇宙探査に乗り出すようになり、宇宙船に搭載できるほど小型のカメラが必要となるまで、そのような発想はありませんでした。
小さなカメラを携帯電話に組み込んだこの技術革新は、世界に多大な利益をもたらすようになりました。カメラ付き携帯電話によって情報の収集と発信の方法が大幅に向上したのです。
同様のプロセスは金融サービスの分野にも当てはまります。過去50年間における大規模なイノベーションのいくつかは、最大かつ最も先進的な機関投資家の要求に応えるべく生まれました。こうしたメガ・インベスターの課題に対処することは、月探査ロケットの打ち上げと同じくらい複雑に思えるかもしれませんが、その努力の結果生まれたイノベーションは、あらゆる規模の機関投資家に恩恵をもたらしています。
1960年代に機関投資家向けの投資コンサルティング企業の立ち上げをサポートし、今日では世界有数の規模を誇る投資アドバイザーとなったラッセル・インベストメントは、長年にわたりこうしたイノベーションを最前列で見守ってきました。これらのイノベーションが巨大かつ複雑な資産運用の問題解決にいかに効果的であったかを目の当たりにした私たちは、より広範なアセットオーナーのためにこれらのイノベーションを活用する方法を見つけるべく、知恵を絞ることにしたのです。その解決策とはOCIO、つまり資産運用業務の外部専門家へのアウトソースという概念です。私たちはこの概念を、1980年代初頭に提唱しました。OCIOによって、小規模アセットオーナーにも、大規模アセットオーナーが恩恵を受けているものと同様の革新的なソリューションへの門戸が開かれました。具体的には、投資収益率を高め、全体的なリスクをより効果的に管理する戦略をはじめとするソリューションです。こうしたソリューションにアクセスできるようになることで、コア業務に費やす時間とリソースを増やすことも可能となります。
複数のソリューション。一つのチーム。
今日、OCIOプロバイダーを探している多くの機関投資家は、コンサルティング業務をルーツとする企業から得られるメリットを必要としている、と私たちは考えています。なぜかというと、コンサルティングは洞察力の源だからです。コンサルティングが基盤にある企業は、複雑な課題を解決してきたノウハウをOCIOクライアントに提供することができます。これらの企業は、コンサルティング・アプローチでもって、イノベーションの最先端に居続けています。洞察の創出という重要な利点でもって、これまでにないソリューションを創り出せるのです。そしてOCIOクライアントは、そのソリューションを導入し、実行に移すことができます。
イノベーションへのアクセス性だけでなく、これらの企業には他にもいくつかの利点があると私たちは見ています。中でも最大の利点は、コンサルティング・クライアントのニーズを満たすために開発された能力が、OCIOソリューションを下支えする能力と同じであるという点でしょう。
言い換えれば、コンサルティング業務をルーツとするOCIO企業は、非OCIOクライアントのためのリソースとOCIOクライアントのためのリソースを別々に持っているわけではありません。コンサルティング・クライアントに戦略的アドバイスを提供するチームと、OCIOクライアントにアドバイスを提供するチームは同じなのです。彼らは、資産やリソースのレベルが異なる様々なクライアントに合わせた、妥協のないソリューションを理解しています。その結果、OCIOクライアントは、戦略的アドバイス、運用会社リサーチ、ポートフォリオ管理、強固な実行スキル、技術力、高度なモニタリングやレポーティング・データセットなど、OCIO企業が持つ専門知識や能力をすべて利用することができるのです。優れたOCIO企業は、これらの能力をそれぞれ活用することで、クライアントの希望(完全なOCIOか、部分的な投資アウトソースか、あるいはコンサルティングか)に合わせた最善のサービスを提供することができます。簡単に言えば、コンサルティング・マインドを持つ一任された運用会社であれば、会社の一連の能力をさまざまな角度で強化し、より市場に即したものにすることができると、私たちは考えています。
コンサルティング・マインドを持つOCIOが優位である3つの理由
次に、投資管理のアウトソースを検討している組織にとって、コンサルティング業務をルーツとする投資ソリューション会社が最も有益であると考える具体的な理由を3つ挙げます。
#1: 複雑な資産運用の経験
何よりもまず、コンサルティングが基盤にある多くの企業は、世の中で最も複雑な資産運用を遂行する経験を豊富に積み重ねています。特筆すべきは、こうした巨大な投資ソリューション会社は、その規模と複雑さゆえに、他の投資ソリューション会社よりも早く課題に直面する傾向があることです。しかし必然的に、こうした課題はやがて他の投資ソリューション会社にも波及します。私たちの立場から俯瞰して見ると、大規模な投資ソリューション会社と関係を構築することはより重要であると言えます。なぜなら、そうした業界最高レベルの会社は、他のクライアントに何が起こりうるかを察知できるからです。
そうした課題が幅広い顧客に与えうる影響を察知することで、これらの大規模投資会社は、大口顧客のために開発したソリューションを、より幅広い顧客層に向けて拡張する上で先手を切ることができます。また、これらの大規模投資ソリューション会社の課題に取り組むチームは、他の顧客ポートフォリオに取り組むのと同じチームであるため、これは考え方として非常に自然な流れとなります。私たちは、このことが業界最高レベルの投資ソリューション会社のOCIOクライアントに利益をもたらすと考えています。なぜなら、こうした投資ソリューション会社は重要な問題を事前に把握し、それが本格的な問題に発展する前に軽減策を講じて実行することができるからです。
#2: 自由な発想
コンサルティング・マインドを持つOCIOプロバイダーがより良いパートナーになり得ると考えるもう一つの理由は、このようなタイプの企業は、全く制約のない考え方をする傾向が強いと考えられるためです。その理由は、コンサルティングの核は、クライアントにとって最適なソリューションを市場のあらゆる場所で発見すること、場合によっては開発することだからです。つまり、コンサルティング業務をルーツとする企業は、市場で必要とされるあらゆるものにアクセスできるということです。OCIOクライアントにとってこのことは、こうした企業が各クライアントの好みに応じて組み合わせ可能な、無限の可能性を秘めたツールやソリューションを提供できることを意味します。
業界最高の企業はこのようにして、機関投資家のポートフォリオ運用のための最良アプローチに縛られることなく、資産配分から個々の運用会社の選定に至るまで業務を遂行していると私たちは考えています。これらの企業は、投資家の戦略的資産配分(SAA)を自社の投資ソリューションに傾けることはしません。その代わり、OCIOクライアントの問題を解決するために、オープンアーキテクチャーのアプローチをとっています。
では、オープンアーキテクチャーのアプローチをとる業界最高レベルの企業が、顧客のポートフォリオを最良の状態にすると思われるツールや機能にアクセスできない場合はどうでしょう? その場合、こうした企業は専門的な運用会社を呼び込みます。これは他のOCIO専業企業のアプローチとは対照的です。OCIO専業企業では、一般的に選択肢の幅が制限され、顧客は画一的な独自のソリューションに囲い込まれる可能性が高くなります。
業界最高レベルのOCIO企業は、ソリューションの内容にとらわれないと私たちは考えています。こうしたOCIO企業はカスタマイズ可能で柔軟性に富むソリューションの提供に努めます。彼らは、とあるOCIOクライアントにとって有効なソリューションが別のOCIOクライアントにとっても有効であるとは限らないことを理解しているからです。コンサルティングで積み重ねたノウハウでもって、こうした企業はOCIOクライアントのためにあらゆる可能性を駆使します。
#3: 拡張性とアクセス性
私たちはまた、コンサルティング・マインドがあることで得られる拡張性とアクセス性の組み合わせは、OCIOプロバイダーが提供するサービスにも効果的に反映されると考えています。なぜなら、コンサルタントは、有名な運用会社にもニッチな運用会社にもアクセスできるからです。例えば、運用会社に関する優れたリサーチ能力を持つコンサルタントは、多くの場合、まずニッチな運用会社を招いて、新しく興味深い機会を共有します。その一方で、運用会社との深い関係から、クライアントのニーズを満たすための商品イノベーションを共同で行う機会が得られる可能性もあります。最後になりましたが、このような業界最高レベルの企業が、要求の高い投資家のためにカスタムメイドのソリューションを設計した場合、その結果生まれるイノベーションは概して、幅広い投資家に恩恵をもたらします。これはOCIOの起源と同様です。
この点については、もう一度太鼓判を押しておきましょう。なぜなら、これらの企業で運用会社の選択や資産配分のアドバイスをしているチームと、OCIOクライアントにソリューションを導入しているチームが同じであることは、大きな差別化要因になると私たちは確信しているからです。こうした企業が業界内で築き上げる関係はより深いものとなります。さらに、このような強固な関係やパートナーシップ意識があるからこそ、コンサルティング・マインドのある企業が顧客のためにオーダーメイドの革新的なソリューションを創り出し、実行することができるのだと、私たちは考えています。
結論
革新性と柔軟性は、宇宙開発であれ金融サービスであれ、どのような業界においても成功に不可欠な要素です。コンサルティング業務をルーツとするOCIOプロバイダーは、その両方を提供できる独自の立場にあると言えます。
このような企業は、純粋なコンサルティングから部分的または全面的なOCIOへと移行した多くのクライアントと仕事をした経験があります。彼らは、組織の投資上のペイン・ポイント(未解決の課題)を理解し、それを軽減するための責任を一任され、そのための能力を築くことができます。そして、移行に伴う障害や落とし穴を経験し、各組織の目標や状況は決して一様ではないことを理解しています。同様に、このような企業は、現代の投資における厳しい要求を満たすために、どのように進化して適応していくべきかを心得ています。そして何よりも、コンサルティング・マインドによって、規模を問わずどのような組織に対しても適切なOCIOソリューションを見出し導入するための、制約にとらわれない柔軟なアプローチを取ることができます。
結果として、豊富なコンサルティング実績とワールドクラスの導入ツールキットを持つプロバイダーと提携すれば、月へ旅立つこともできるかもしれません。