トランプ氏がホワイトハウス再選、マーケットはどう反応したか

以下は、2024年11月6日にラッセル・インベストメント(米国)のHPに掲載された英文記事を翻訳したものです。原文はこちら

エグゼクティブ・サマリー:

  • ドナルド・トランプ氏がカマラ・ハリス副大統領を破り、ホワイトハウスでの2期目を勝ち取った。共和党は上院の過半数も獲得したが、下院の支配は依然として不透明。
  • 議会の支配を巡る情勢が進む中、短期的なボラティリティに振り回されず、長期的な視点に集中することが投資家にとって最善と考える。
  • 長期的には、ホワイトハウスの政党にかかわらず市場は上昇傾向にある。

2024年11月6日(水)午前8時(太平洋時間)更新

米国では共和党による「レッド・ウェーブ」の傾向が続いており、票が集計されるにつれてその傾向が強まっている。ドナルド・トランプ氏は複数の重要なスイング・ステート(激戦州)でカマラ・ハリス副大統領を破り、ホワイトハウスでの2期目を確保した。共和党は上院も掌握したが、下院の支配は依然として決定していない。

株式市場はこのニュースを好意的に受け止め、ニューヨーク株式市場での取引開始後1時間でダウ工業株30種平均は約3%上昇、S&P500種株価指数も約2%上昇した。特に小型株は、次期トランプ政権下での減税政策を期待したリフレーショントレードから急騰。具体例として、小型株の指標であるラッセル2000指数は約4%上昇し、投資家は小型で循環性の強い銘柄が減税や規制緩和の恩恵を受けると予想している。

また、債券市場でも財政悪化を懸念したリフレーショントレードの影響が見られ、米国10年国債利回りが4.45%まで上昇。市場は、新政権下で主要貿易相手国への関税導入やインフレ上昇の可能性を織り込んでいる。

**** 2024年11月5日のオリジナル投稿内容 ****

主な結果

早速本題に入りましょう。米国西海岸時間の選挙夜8時時点では以下の通りです:

  • 大統領選の勝敗は依然として決まっていない。開票が進むにつれ、予測市場はトランプ前大統領の勝利の可能性が高いと示唆しているが、2020年や2016年と同様に、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンなどの主要なスイング・ステートでの開票が進むまで結果は分からないだろう。
  • 議会の支配も未確定だが、共和党が上院で勢力を拡大する見込みがあると予測市場は示している。共和党の「レッド・ウェーブ」の可能性が高まっている。

マーケットの反応

  • S&P500種株価指数は火曜日のニューヨーク市場の終値に対して1.2%高。米国債利回りも同期間で17ベーシスポイント上昇。
  • 共和党のレッド・ウェーブと、景気刺激策が持続するという期待が米国債利回り上昇の主因と見られる。
  • 外国為替市場では、米ドルがメキシコペソやユーロに対して強含んでおり、主要な貿易相手国に対する関税実施の可能性が高まっていることを反映している。
  • 選挙前のシナリオプランニングと一致した方向性・規模で各アセットクラスが動いており、ポートフォリオ戦略に大きな変更を要するほどの極端な市場の混乱は見られない。

選挙と長期的な投資

経験的に、米国市場は選挙のボラティリティを乗り越え、長期的に投資家に利益をもたらしてきた。2025年に向けて市場の変動や政策の変化には常に注視していくが、戦略的なフォーカスが今日も重要だと考えている。

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