収益を上げることが、資産運用にとって最大にして唯一の目的です。通常の確定給付年金制度には定められた予定利率、そしてそれに基づく運用目標があります。資産運用の実績が運用目標を達成することで年金財政が健全に維持される仕組みになっています。ただし、それは通常の営業ノルマのように毎月・毎年達成していくものではなく、長期で達成されるべきものです。そのためには、長期的に高い収益が得られそうな複数の資産に投資し、売買は極力控え、日々の収益変動は我慢しながら管理していくことになります。日々売買を繰り返して利益を確定していくデイトレーダーのような運用とは対極的です。そして、このような運用こそが長期でより高い収益を上げることに繋がるのです。
「儲ける」ことに囚われると、市場が上がりそうだ、もしくは下がりそうだといった短期予測に基いた無駄な売買をしてしまいます。しかし、短期予測ほど当てにならないものはなく、そういった不用意な売買は機会損失や売買コストの増加による資産の毀損に繋がります。短期予測は当たらないことを肝に銘じ、必要な売買以外はできるだけ抑えることが大事です。